ビジネス美学

自分が「正しい」と思うことは、言ってみよう・やってみよう

先ほど就職活動の経緯でもお話したとおり、私が伊勢丹を受けてみようと思ったのも、最終的に入社を決めたのも最初から強い意志があった訳ではありません。
また、現在の社長というポジションも、誰も私が社長になるとは思っていない状況での就任でしたし、私自身も社長になることをイメージしたことはありませんでした。
それでも、私自身のキャリアのなかでは「自分が正しいと思ったことはやってみよう」ということを大事にしてきました。
1991年の春から4年ほどマレーシアの伊勢丹に総務部長として駐在していたときの社長が私の考えを尊重してくれる人で、比較的自由にやらせてもらいました。総務部長という肩書きで店頭に立つことも奨励してくれ、クアラルンプールの超高層ビル内への出店など、新しいことへの取り組みも任せてくれました。
この時の経験が大きな弾みとなって、こういう“筋”を通した生き方が私自身心地よく、またパフォーマンスにも結びつくことを意識するようになりました。

リスクテイク

もともとの性格もあるのだと思いますが、チャレンジ精神は旺盛な方だと思います。チャレンジするためには、必要なリスクはテイクするべきという考えです。
サプライチェーンの中でリスクをとらないビジネスモデルが、現在の百貨店業界の停滞を招いた一つの原因だと考えています。当社の進める「仕入構造改革」は、お取組様と一緒になり、当社も必要なリスクを負いながら、双方でより利益を分かちあえる仕組みを作り上げ、且つお客様にも当社独自の新しい価値を提供することを目指しています。
また、最近はIT業界をはじめとする新しい業界や成長している会社をベンチマークしていると、百貨店業界や当社がいかにスピード感に欠けているかということに危機感を持ちます。伸びている企業はリスクを取りながら、時代の先端でどんどん変化に対応しています。
新しい時代に、前の時代と同じことをしていても駄目なのです。新しい視点で百貨店の改革を進めてきた前社長の考え方にも大きく影響を受け、私の社長としてのスタンスもこの考え方を踏襲していきます。

「現場力」=人と人との接点から生み出される人を幸せにする力

スタイリストたちの笑顔

小学生にとって、普通、夏休みは楽しみですよね。ところが私は、夏休み明けの登校日が楽しみだったのです。学校に行って久しぶりに友だちの○○ちゃんと会えること、○○ちゃんに会ったらどういう話をしようかと想像してるだけでわくわくしていました。登校日に、実際に友だちに会い、一緒いたり話をしたりすると、本当に感動したものです。
同じように、現場でスタイリスト(当社では販売員を「スタイリスト」と呼びます)の笑顔に出会い、言葉を交わすと、苦労や辛さは一気に吹き飛んでしまいます。
人が人を思い、言葉をかけ、おもてなしすること、笑顔で接することは、商品以上にお客様を幸せにする力だと信じています。

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