ビジネス美学

大儲けより「長儲け®」

私のクライアント先の中心である中小企業のオーナー経営者の第一義は「生業」が出発点です。大手企業のサラリーマン経営者や役員、エリートビジネスマンとの最大の違いはこの一点に尽きます。

大企業も含めすべての企業にとって、リソース(人・物・金・時間・情報)には限界がありますが、中小企業になれば、量的にも質的にも利用できるリソースはさらに厳しくなります。それでも会社は続いていかなければなりません。

そのためには、博打のような大儲けを仕掛けるよりも、先ずは、今あるリソースを最大限に活かすことで、自分たちが継続できる施策により、適正な利益を生み出し続ける「長儲け®」の戦略と仕組みづくりこそが、オーナー経営者が、求められていることだと考えています。

「中小企業と屏風がは広げすぎると倒れる」

リソースの限界を広げると言っても、現実的には文字通り限界は存在します。
例えば、地域密着型の市場をターゲットにしている企業や、ニッチ市場であるゆえに、見込客そのものが限定される企業も存在します。

しかし、心配することはありません。全員営業を導入し、定着した後は、人件費も残業も増やさない「全員営業」による業績向上を活用して、第2段階・第3段階の経営強化を行うことは可能であり、その指導も必要とあれば受けることが可能だからです。
中小企業で重要なことは、業績がまだまだ安泰といえる前段階にも関わらず、広げすぎるリスクと今の限界を超えるチャンスの両方を見極めることにこそあるのです。

経営者・社員・顧客 それぞれの「喜怒哀楽」のツボを押さえる

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コンサルを行っている辻社長

コンサルタントになった時、自分の強みは何か、経営者の味方になるにはどうしたら良いのかをじっくり考えたことがあります。
私は特定領域の専門コンサルタントではないので、人種・国籍・時代・世代年齢・業種・業界などすべてに共通するものは何かと考えた場合、それは「喜怒哀楽」であるという結論に至りました。ただし、経営者と社員とお客さま、どこが喜怒哀楽のツボかはそれぞれ立場によって違います。
独立して最初の頃、コンサルティングが終って1年後に「コンサルティングを受けて本当に良かったことは何ですか」と経営者にヒアリングしたことがあります。当然、「会社の業績が上がったこと」とお答えいだけると思っていたところ、返ってきたのは「経営者として自分が本当にやらなければならないことがわかった」「自分の本音と向き合えた」といった答えが多かったのです。
その時、経営者が真に求めているのは、専門知識やノウハウといった表面的なことではなく、納得いく会社経営の実現であったり、自分の“味方”になってくれる人であるのを実感しました。
それからのコンサルティングは、業績向上のアドバイスを行うことは当然として、経営者の味方であること、絶対に社長の自分を裏切らない信じてもらえる存在になろうと努めてきました。
それと同時に、現場では必ず社員の知恵と助けを求めるようにしています。かつてはこちらで全部やってしまうコンサルティングスタイルの時もありましたが、外部から来たコンサルタントが頭ごなしに教えたり、言ったりしたことは定着するのが難しいものです。どこか、よそ者・ひと事になってしまいます。要所要所の勘所では、現場の社員が「自分たちで決めた/やったんだ」という形に可能な限り持っていくのを意識するようにしてからは、新たな仕組みが定着するスピードと度合いが明らかに違ってきました。

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