ユニークな人財開発プログラム

ANA人財大学におけるグローバル人財育成

外国籍専任講師による研修
外国籍専任講師による研修
少し遅れた感はありますが、TOEICの全社員受験を義務付け、管理職登用基準としてTOEIC700以上を求めます。
また、「ANAグループはすべての社員に、入社から退職まで等しく成長の機会を提供していく」「人を尊重し、人の可能性を信じ、人を大切に育てたい」という建学の精神で2007年にスタートしたANA人財大学に、現在、外国籍の専任講師を一人置いています。彼は、語学力のアップのためだけではなく、異文化理解などグローバル人財に必要な素養について、世界各拠点を飛び回って教育を行っています。今、一番忙しい人かもしれませんね。 海外採用社員と国内採用社員の合同研修により、グループの一体感を醸成するとともに、リアル異文化に触れ、多様性の受容を肌で感じ、理解するということを進めています。この研修は、海外採用社員には大変評価が高く、時間的・物理的制約からそれほど頻繁には開催できないのですが、「次回はいつですか」とか「また是非参加したい」という声が多く寄せられています。 ANA人財大学の役割の一つに、ANAグループの価値観の共有を進めるということがあります。そのため、原石であり、まだ白紙である新入社員の教育については、グループ企業採用と海外採用含めてすべてANA人財大学が行っています。 新入社員、若手社員のグローバル教育では、2年前から新入社員を1年に2名ずついきなり海外に配置するようにしています。受け入れ側は大変だと思いますが、最近の新入社員は、積極的に海外経験を希望する人財が多く、大変頼もしく思っています。1年目での海外駐在の対象に洩れたとしても、入社10年以内には研修、駐在、派遣など、必ず何らかの形で海外に行ってもらうことにしています。10年前であれば、このような制度には不安や不満の声がかなり上がったと思いますが、今は、「早く行かせて欲しい」と言ってくる社員が多く、若い層から少しずつ意識が変わってきていることを感じています。 先ほどから海外と言っていますが、弊社の海外拠点はブランチ(支店)の位置づけです。一方、メーカーなどの海外拠点は現地法人であることが多い。単に、海外に行ってビジネスをすると言っても、人財開発においてこの違いは大きいものがあります。ブランチは、あくまでも本国の出先の位置づけであるため、2,3人で運営している小さな支店もありますし、支店の収支は管理しますが、路線収支といった経営レベルでの視点を持つことは難しいと言えます。メーカの現地法人は、経営としてビジネスを完結させる必要がありますから、経営感覚を持ってマネジメントをすることが求められます。
そのため当社では、これまで海外経験があったとしても、経営視点を持つとかマネジメントするという意識が薄かったように思います。ところが、近年、当社へ入社を希望する学生は、面接の時点でグローバルで活躍したいと意欲を見せますし、「あなたのいうグローバルで活躍するということはどういうことですか」と突っ込んだ質問をすると、しっかりマネジメントレベルを意識した答えが返ってきます。そういう意味でも、若手の意識改革が進んでいることを嬉しく思っています。

新規事業への取り組み

新規事業については、多角化を推進したり、縮小したり、これまで試行錯誤を繰り返してきました。
ホールディングス制にした今年からは、「戦略的投資」という方針を打ち出しています。直近で言えば、米国のパイロット訓練会社のパンナムの買収を発表しました。パンナムのパイロット訓練のノウハウと実績を活用し、パイロット養成ニーズの高いアジアでのビジネス展開を想定しています。また、ミャンマーの航空会社(アジアン・ウィングス・エアウェイズ)に出資し、東南アジアエリアでのビジネス展開を加速させます。
ゼロベースでの新規事業という考え方もありますが、今の変化のスピードに対応するために、M&Aやアライアンスによる戦略的投資を進めていく予定です。このようなビジネスは、企業文化が違う企業との統合・連携になるため、ANAのDNAを持った人財にやってもらいたいと考えています。 投資・アライアンスといった経営レベルのビジネスに加え、新しいサービスの創出など、現場レベルでのアイディアが積極的に出てくるような教育や仕組みも実施しています。
階層別研修における現在の職場でのサービス改善のアイディア出しがそうです。
また、当社のサービスのコアは機内が中心になりますが、社員には、カスタマー・エクスペリエンス(Customer Experience;顧客経験)と呼んでいる、お客様が自宅を出られてから飛行機に乗り、また自宅に帰るまでのシーンにすべてに想像をめぐらせ、当社のサービスとしてお役に立てることはないかということをプロジェクトの形態で検討しています。
10年ほど前からバーチャルハリウッド(ハリウッド映画のようにお客様に感動を与える企画を自主提案によって実現する活動)も実施しています。
WOW!社長賞受賞メンバー
WOW!社長賞受賞メンバー
独自性や創造性を育むという意味では、当社は”褒める文化”の醸成にも力を入れています。「WOW!賞」を創設し、職場に活力を与えるような企画や活動をしたメンバーを表彰しています。昨年は、“ゲートバイキング”を企画し、実施したチームが社長賞に輝きました。ゲートバイキングとは、何らかの理由で飛行機の出発が遅れ、既に搭乗されたお客様を長時間お待たせしなくてはならない場合、制限エリア内の出発ゲートの前にケータリングを用意して、温かいお料理も含めて自由に召し上がっていただくサービスです。このような場合は、ミールクーポンをお出ししていたのですが、お店まで足を運ぶのが面倒だったりとお客様には不便な思いをさせていました。ゲートバイキングは、成田空港のメンバーが企画し、お客様に大変好評を得たことから昨年の社長賞受賞になりました。

顧客接点における女性の活用

女性の強みを発揮して活躍を
女性の強みを発揮して活躍を
当社は客室乗務員という職種があるため女性が多く、数字的には女性管理職の比率が高くみえますが、現在の管理職の先頭群のボリュームゾーンはリーダー(課長)レベルであり、まだまだこれからだと思っています。
その上の部長へも、女性を積極的に登用していきたいと思います。ただし、これは女性だから部長にするということではありません。女性であっても部長に相応しい能力を持った人財であれば、等しく昇格の機会があるということです。 とは言え、決め細やかな気配りなど女性ならではの強みです。これを顧客対応部門では最大限に生かしていただきたいと考え、現在、空港のVIP担当は部長は全員女性になっています。
先日、客室常務員の正社員採用再開の発表もありましたが、優秀な女性が活躍できる制度や機会を会社として積極的に提供していきたいと考えています。
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