事業の原点は「お客様のお困りごと」にお応えする 暮らしのお役立ちを支える企業の原動力は人であった

トップインタビュー
株式会社ナック
代表取締役社長
寺岡豊彦氏(てらおか とよひこ)

ナックの事業の原点は、主婦の重労働の負担を軽くしたいという想いから、顧客接点を通じて「お客様のお困りごと」にお応えすることです。
技術も資本もない状態から事業を拡大できたのは、お客様のお困りごとや一番喜んでもらえる商品・サービスを提供する「人」の力がもっとも大きかったのではないでしょうか。
ナックの代表取締役社長である寺岡豊彦氏に、お客様と人を大事にする商売観・人財観について語っていただきました。

ビジネスポリシー ~企業として大事にしていること

「お客様のお困りごと」を担い、
「お客様に一番喜ばれる」商品・サービスを提供する

1971年(昭和46年)にダスキン事業からスタートした弊社は、創業から40年以上が経ちました。
当時、町田にあった旧:昭和乳業の多摩工場の社員食堂の運営を任されていた創業者の西山が、家族・知人経営を脱し、さらにビジネスを大きくするにはどうしたらよいかと思案していた際に、ダスキンのフランチャイジー(加盟店)募集の広告を目にして業態転換を図ったのが当社の創業にあたります。

ダスキン事業は「お客様のお困りごと」に応えた事業転換の一歩
ダスキン事業は「お客様のお困りごと」
に応えた事業転換の一歩

当時の昭和40年代中頃は、主婦の三大労働として「炊事・掃除・洗濯」と言われ、今のような自動調理器やお掃除ロボット、全自動洗濯機などない時です。コンビニ店はまだなく、ケータリングも普及しておらず、炊事は材料の買い物から仕込み、調理まで手がかかっていました。掃除も箒とちり取りと水雑巾で腰を屈めるのが当たり前でしたし、洗濯も二層式洗濯機は手回しの脱水機、洗濯板で手洗いの家庭も多く、まだまだすべてに手がかかるのが家事労働でした。
このような主婦の重労働の負担を軽くし、当時はまだ知名度が低く、サービスの内容も良く理解されていなっかったダスキン事業に西山は着目しました。起業した以上、創業者としては事業をより大きくしたいという思いは当然です。これからの日本人のライフスタイルの変化をビジネスチャンスだと考え、業態転換に賭けたのです。
今では、ダスキンの商品・サービスは多くの家庭やオフィスで利用され、毎日の家事を楽にするサービスとして広く世の中に認知されるようになりました。

技術も資本もない弊社が事業を拡大するには、1軒でも多くのお客様にご契約いただくことがもっとも重要な成長要因です。
そのためには、創業の精神にしたがって、お客様が今一番困っていることにお応えしていくこと、お客様に一番喜んでもらえる商品とサービスの提供に事業の領域を定めています。

私が入社した当時の弊社は、まだ年商3億円に届かない規模でした。それがお陰様で、来年3月期には売上高1,000億円に手が届くほどになりました。
他のダスキン加盟店や社員が切磋琢磨しながら、一緒に大きくなってきた結果だと思っています。

「なるべく多くの事業」でより多くの方に喜んでいただく

なるべく多くの事業を展開することで、多くのお客様に喜んでいただく
なるべく多くの事業を展開することで、
多くのお客様に喜んでいただく

もうひとつの創業者の経営方針に、なるべく多くの事業を展開するということがあります。
弊社はダスキン事業からスタートしましたが、今では、宅配水の「クリクラ」、注文住宅の「レオハウス」などをはじめ、複数の事業を展開するコングロマリット(複合企業)になりました。
それは、多くのお客様に喜んでいただくために、単一事業よりもより多くの事業を展開するべきだと考えているからです。また、多くの事業によって多くの雇用を生み出し、お客様以外にも社会全体に貢献できる企業になっていくことを目指しています。

事業の多角化にあたっては、弊社の原点である「お客様のお困りごと」に応えるという原点は外していません。
たとえば、「クリクラ」では、お水を買って飲む習慣の普及に合わせて、買い物時の重いウォーターボトルの持ち運びを不要にし、お湯も欲しいときに欲しいだけ用意できるなど、安全で美味しい水がいつでも手軽に飲めるようしました。
また、「レオハウス」では、“一生の買い物”と言われたマイホームを、同じ品質でもっと安く購入できるようにしました。若くてお給料も貯金の額も大きくないけれど、子供が小さい時期に家が買えるため、広くて自由なスペースで伸び伸びと子育てしてもらうことができます。子供が大きくなってくれば、家族で共有するスペースと子供たちの個を尊重するスペースの両方を確保してあげることもできるでしょう。
弊社の事業は結果としてBtoCが多くなりましたが、いずれも創業時の事業の原点に沿ったものです。
これからも、お客様の「あったらいいな」や「お困りごと」に応えながら、様々な事業を展開していくつもりです。

事業への先行投資と長期的回収サイクルの実現が成長の鍵

弊社はダスキン加盟店約2,000社のなかで、現在、売上高1位を継続しています。実は上場したのも、本部(ダスキン本社)より弊社の方が早かったのです。
本部からの仕入もお客様への販売も他の加盟店とまったく同じ価格条件の中で、なぜ弊社が売上高1位になれたのかという質問をよくいただきます。
弊社がダスキン加盟店に参加したのは992番目ですから、約2,000社のうちのほぼ真ん中、折り返しあたりで、先行者利益で伸びてきた訳でもありません。

私は、その要因はひとえに経営者の才覚に尽きると考えています。では、その才覚とは何か?それは、成長するためには立ち止まらないということだと思います。
常に先行投資を繰り返し、そのコストを回収するべく長期契約によってお客様を増やしていく、拡大再生産による投資と回収のサイクルを、途切らせることなく繰り返していくなかで利益を確保していくことが、弊社の成長要因なのです。
大変地味で苦しいため、これを実現・継続していくことは非常に難しく、実際他社は参入に尻込みしたり、参入したとしても長く続かないことが多いのです。そこを弊社は地道に、誠実に着実に歩みを止めることなく進んできたことが、ここまでの成長をもたらしたのだと考えています。

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