社会人時代でのエピソード

実は営業が得意だった ~向き合ってみると”息を吸うようにできた”~

入社時、ビジネス初心者ということもあり、得意・不得意が理解できていませんでした。
2011年新卒でサイバーエージェントに入社。まだ「ABEMA」など生まれていない時代で、ネット広告営業会社でした。入社式と表彰式が同じ日にあり、表彰されている先輩の大半はスーツにノーネクタイ。Yシャツのボタンが2、3個開いており、20-30代の先輩が多くいました。これから伸びる市場に対し、先に働いている年齢の近い先輩方と同じことをやっても、頭一つ抜き出るイメージが持てませんでした。営業では勝てないと思いつつ、でも営業力があるこの会社で商品を作る側に回れば、存在価値を出せるじゃないかと思い、そちら側に身を置く選択をしました。2010年はスマートフォンが出たての頃。そのタイミングで一番初めにスマホのメディアを作れたこともあり、社内の先輩方みなさんが売ってくださり、所属管轄内で新人賞をいただきました。ただ、ネット業界は類似サービスが次々生まれやすい環境ということもあり、社内外に競合が増え、その1年間で一気に抜かれました。

これまではサイバーエージェント社内を頼れば、既に顧客資産がいっぱいあるので、あらゆる会社にアクセスできました。しかし、自分のサービスの競争力が落ちてしまい、代理店の方々のメリットを出すことが難しく、仕方なく自分の足で営業活動をしなければいけない壁にぶち当たった時、思いの外スムーズに契約を預かることができました。言うならば“息を吸うよう”にできました。自分が作った商品だからというのもありますが、お客さんと対峙して、お客様の会社の悩み、個人の悩みをいろいろ聞いて、「なんとか僕の商品で解決させてください!最悪、商品関係なく貢献させてください」という姿勢が自然と取れました。
お客様にも喜んでもらい、自社のメンバーも喜んでくれる。何より自分が約束した契約を遂行することと同じくらい、「受注(先に信頼を預かる約束)」自体に快感を覚えました。
自分の営業ひとつで、みんながハッピーになるのがすごく楽しく感じました。僕自身、全然「がんばっている」つもりはなかったんです。気付くと月のアポイント件数は毎月100件を超えていました。特に話題がなくても、会えば何かしら約束を預かってこれる、自分/自社のリソースを使って、あらゆる人の問題解決ができるスキームを見つけられたことが20代の1番の発見でした。しかし、他の人は100件アポ行けって言っても行けない。「お前100件行けよ」とプレッシャーをかけすぎて、潰れてしまった部下もいました。やり方自体を押し付けてはいけないことを痛感しました。

メンバーマネジメントの難局も一つ一つ乗り越え、25歳の時に、サイバーエージェントの子会社の取締役に抜擢いただきました。そのタイミングで、当時の人事本部長に、「福山君はようやく自分の得意分野とやりたいことがリンクしたね。」と言っていただきました。入社の時からそれまで、僕は商品を作ったり企画をしたりするのが得意なんだと思い込んでいたのですが、事実として、営業で成果が上がりましたし「福山=営業マン」という見られ方をされていることを理解し受け入れました。

なんとなく自分が営業に向いていることに気付いていたのですが、どこか認めたくない(企画で認められたい)という気持ちがありました。しかし営業をやってみると、息を吸うようにできた。社内でもトップクラスの成果を出せた。ビジネス以外でも同じような体験が過去あったように思います。野球のポジション、受験科目の選定など。他のみんなが苦戦していることを、自分は簡単にできてしまうことがある、そこでがんばった方が突き抜けられるなっていうことに気づきました。一方、企画は未だに好きなんですけど、得意かって言われると、まだまだ呼吸をするようにはできていないかも知れません。

「がんばっているつもりはないのに10成果が出る=がんばれば100成果が出る」
自分が得意な領域に気付けた時に、同じ実力でもやる業務・ポジションによって結果の出方がまるで違うということに気付きました。もしかしたら同じ営業でも「新規開拓」が得意な人、「リレーションを築くこと」が得意な人、「管理・サポート」が得意な人、などさまざまだなと、その配置で成果のほとんどが決まるんじゃないかなと思いました。

得意とは ~がんばっているつもりはないけど成果が出ること~

そもそも自分は営業が得意か、ビジネスが得意か、攻めが得意か守りが得意か、このあたりを自問自答してもだいたい気付かないので、一生懸命動いてみた結果、上司とか同僚に言ってもらって、そうだなって思ったらそれが得意なこと。言葉にするとがんばっているとも言えないけど、成果が出る。人からすごいねって言われるけど、えっ普通だよって答える。このポイントが強みなんだと思います。強みを活かして仕事に取り組めると、普通に生きているだけでハッピーになれると思います。

サイバーエージェントでの大失敗と反省と立ち直り

新卒入社のサイバーエージェントで自分の得意に気付く! (前から2列目 右から3番目が福山氏)
新卒入社のサイバーエージェントで自分の得意に気付く!
(前から2列目 右から3番目が福山氏)
新卒1年目の頃、某ゲーム会社から、自社のゲームアプリを広告掲載して欲しいと依頼をいただきました。文字通り寝ないで働いたこともあり、頭がぼーっとしていて、全然違うゲームアプリをメディア掲載してしまいました。クライアントの「ど競合」ゲームということもあり経緯報告書と謝罪だけでは済まされず、補填対応もしました。「どうすんだよ!」と上司に怒られつつ、「すみません、気合入れなおします!」と答え、翌週、再度同じミスを続けてしまいました。血の気が引くのを感じました。反省の念はあるのですが、如何せん、本当に頭が回っていませんでした。当時、土日も関係なく出社をしていましたが、その週末は会社ではなくカフェに場所を移し考える時間を捻出してみました。白紙のノートと向き合い、そこで「時間ではなく知恵で解決しよう」と決意しました。それまで時間をかけることで問題解決を行なってきた自分は、解決策が「長く働く」一択になっていました。すると、いつまでたっても24時間以上のパフォーマンスが出せないこと、1つ問題が発生すると、処理している間に別の付加価値を産めないことに限界を感じました。クリエイティブ思考には制約がセットです。時間を制約と捉え、その制約内で成果を倍にすることを目指さない限り、この先社長になった時に困ると思い、問題を徹底的に書き出し、1つ1つ解決策を考え実行に移しました。いわゆる因数分解です。事実と解釈を分け、なるべく事実ベースで自分の行動を振り返ることで自分自身をまだまだ進化させられる実感を得ました。
学生時代(野球部時代)は「気合で乗り切る」というソリューションが通用したのですが、ビジネスに関しては「気合で乗り切る」だけでは通用しない壁にぶつかりました。そこで因数分解的思考法を発見し、曖昧な言葉を「動作化する」技術を身につけました。その体験をこちらの本(『いつも目標達成できない人のための自分を動かす技術(すばる舎)』)にしたためています。
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