トップインタビュー
株式会社プロントコーポレーション
代表取締役社長
竹村 典彦氏(たけむら のりひこ)
昼夜問わずに様々なシチュエーションで気軽に入れるプロント。誰もが一度は利用した経験がある身近なお店だと思います。
そんなプロントコーポレーションは今年で創業30周年を迎えました。
そこで30年間生き残れた経営・人財戦略につきまして、株式会社プロントコーポレーション代表取締役社長の竹村様にお話を伺いました。
ビジネスポリシー ~企業として大事にしていること
家庭と職場を繋ぐ場所であること

都会型のお店が多いプロントは、お客様の多くがビジネスパーソンとなります。そのお客様に対して、家庭と職場を繋ぐ場の提供をしていきたいという思いがあります。
今でこそサードプレイスという言葉がありますが、創業時にはそのような言葉が無い時代でした。プロントは、「明日への創造を生み出すジャンクション」として、常に安らぎを提供していくという理念は当時から変わっておりません。
その安らぎの場所を提供するにあたり、自分達が何をすればいいのか?
それには2つのことが重要だと考えております。
凡事徹底できること
一つ目が、サービス業の基本はお客様の思考、行動を観察しながら行うことだと考えます。このサービスの基本を当たり前のように凡事徹底できることが非常に大事な事です。
弊社は創業当時から昼はカフェ、夜はバーという二毛作形態のお店を運営しておりますが、プロントの様な形態のお店を他社では簡単に真似をすることが出来ません。
それはなぜか? お店のシステム等の違いもありますが、実は従業員の教育が非常に難しいことが挙げられます。主に昼のカフェ主体のサービスでは対面式サービスとなり、瞬間的な笑顔やサービス感度が必要になってきます。
逆に、夜のフルサービスが求められるレストランでは、お客様が帰られるまで長時間サービスをし続けます。そのため、最初の印象が少し悪くても、お客様が帰られるまでに挽回することも出来ます。これは、ファストフードとレストランではお客様の滞在時間や求めるサービス要求が違うからです。
その為、ファストフードがレストランへと形態を変える事は非常に難しく、また逆にレストランがファストフードの様な形態を変える事も同様に難しいと言えます。
0.5歩先に行くこと
二つ目は「0.5歩先に行くこと」が大事だということです。凡事徹底という概念に加え、少し先を見据えて「これが面白い」とか「これは珍しい」と感じる事が非常に大切で、お客様を呼び込む重要なポイントになります。
例えば、新メニュー開発などにはその感性がそのまま結果に繋がります。
半年後や一年後に「そうえば、このメニューは以前、プロントで食べたことあるよね」という、お客様の心理に印象を植えつける事が出来れば成功だと思います。
池に石を投げると波紋が出来ますが、その石が商品開発であり、その石をどんどん投げ込むことで広がる波紋が集客だと考えます。弊社では、常に石を投げ続けることが非常に重要だと考えています。
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