ホームメンターズ株式会社 代表取締役社長
ミリオンセールスアカデミー® 代表
台本営業® コンサルタント
加賀田 裕之(かがた・ひろゆき)氏
著者プロフィール
1969年 東京都武蔵野市生まれ
大学卒業後、体育会系の営業会社にて高額商材のセールスマンとなるが、まったく売れず、250万円の自社商材を自分で購入するほど追い込まれる。
「もう辞めるしかないな」と思ったときに、トップセールスから営業極意を伝授され、人生を逆転。その後はみるみるうちに売れるようになり、100億円企業の営業マネジャーとして、部下20名のチームを連続優勝させ、新規事業部の責任者に任命。初年度年商1億円を達成。
その後、IT事業会社で、部下約20名を束ねる営業マネジャーとなり、さらに部下約100名の事業部副部長、年商25億円の事業会社の事業部長として結果を出す。
口下手、人見知り、営業が苦手の方でも自然にお客様の「欲しい! 」を引き出す営業スキルをお伝えしたい、と独立。
独自の「台本営業®」メソッドは朝日新聞等でも紹介。
13年苦しんだ対人恐怖症営業マンが、セミナー後、前月比500%の契約獲得、元キャバ嬢でも歩合給が月に300万円以上になるなど、「モンスター営業マン製造工場」の異名をとる。
本書が初の著書。
執筆の背景 ~自分の天命が見つかる~
元々営業ができるタイプ、そうじゃないタイプの人がいます。
営業ができる人は、自分ができている理由、売れる理由がわからないから教えることはできません。営業ができない人は、営業を体系的に教えてくれるところがなく、やり方がわからずに非常に苦しんでいる方が多いです。
僕もそうだったのですが、最初に入った会社は、上司が気合いだ!人間力だ!みたいな根性論的な営業指導で、僕はそうではないなと思い、結果的に「台本」というところに行き着いたんです。演劇もそうですが、脚本なしに演技なんてできないじゃないですか。営業を学ぶことも同じ。なので、「台本」を作ろうと考えました。
僕は29歳で営業に転職したのですが、全然上手くいかず、もう辞めようかなと思っていました。当時は眼鏡ではなくコンタクトで、その洗浄液がピリピリするなと思っていたら、皮膚の色が抜け始めたんです。これは「白斑」と言って極度のストレスによるもの。それぐらいストレスを抱え追い詰められていたその当時、トップセールスに「付いてきていいよ!」と同行させてもらったんです。(親切をしたらしいですが、僕は覚えてなく) トップセールスって技を隠すじゃないですか。トップだと会社での立ち位置、ポジションが上がり、良い案件をもらえるので、やっぱり肝のところは教えないんですよ。僕がいた会社はそれがすごく、電話すらも机の下にもぐって誰にも聞かせないようにする・・・ということがありました。そんな中、そのトップセールスはすごいやり方をされていたんです。そこで、テープに録らしてもらい文字起こしをして実践していきました。それはこの本にも書いている『ニーズの深掘り』という方法。ニーズ喚起だけでなく、ニーズを深掘るということに気づいたんです。それは、人間関係ができていないと、怖がらせるとか、煽ってるんじゃないのという感じになるのですが、親しい友達、家族のように、人間関係がしっかりできていると、本当に相手のことを考えて、悪いことや言いづらいことも言う。人間関係の構築ができていればニーズの深掘りもできる。それをしないと逆に失礼。その考えが確立し自分なりに実践できるようになったことで、事業部長や営業マネジャーに昇進できたのです。これを営業で苦しんでいる人たちにも広めていくのは自分の“天命”じゃないかなと思ったのです。。
営業会社に転職する前は、予備校の講師をやり、その後は教育系のコンサルティング会社に入社。その時にすごい方にお会いしました。その方は天才的に売る人、理論とかではなく、人柄で売っちゃうところがまあすごいなと思って。能力と言うよりも営業力で巻き込んでいく、人を説得し会社を動かしていくようなところがとても強く、自分も営業力を身につけないと人生乗り越えられないなと思い、29歳で営業会社に転職しました。
そういうすごい方はいいですが、ほとんどはそうではないですよね。そこで僕は、レシピを作ろうと思いました。ハンバーガー店のようなレシピは、普通の人が普通にやる気があって、普通の理解力があって、普通のコミュニケーションがあれば、普通の美味しいハンバーガーができる。営業も同じで、レシピつまり「台本」を作ろうと。例えば、会社で一人の天才が100万円を売り上げる。他の9人は0円。それよりも、60%で全員が60万円売り上げれば全体で600万円になる。経営者側もそちらの方がいいじゃないですか。
“普通の能力の人が、ある程度普通の成約率をあげる。”
初心者の方々や、悩んで苦しんでいる方々を普通のところにもっていくというのが僕のコンセプトです。
あなたは、営業を感覚でやっていませんか?
実は営業は、体系的に学ぶことで、驚くほど結果を出せるようになります!
「営業台本」とは、筆者がトップセールスに学んだ秘訣を体系化した「購買心理に基づき、お客様の『欲しい! 』を自然に引き出すプレゼン(商談)の脚本」のこと。
営業台本を作るだけで、成約率は数十%もアップします。
確実に売り上げを伸ばせる「営業台本」の作り方を学んで、根性営業とはおさらばしましょう!
生い立ち ~営業コンサルタントとしての原体験~
小学1年生の頃、人にものを伝えるときの原体験がありました。
当時、日本は結構貧しく、僕は木造の長屋みたいなところに住んでいました。冬もすごく寒くて水道管が凍るような感じで、ぽたぽた水を落として凍らないようにする。そんな時代でした。
ある日、元気に家に入りステンと転んだ時があったんです。すると目の前には、赤や黄色や白い液体が台所に散乱していて。何だろうと思ったところ、奥の襖の向こうで呻き声をあげた母親が痙攣していました。小1だった僕はパニックになってしまい、電話をするということが思いつかず、いつも診ていただく隣町のお医者さんのところに行って説得しよう、それしかないと思いました。ちっちゃい自転車を全力でこぎ、「助けてください!」と一生懸命お医者さんに伝えたところ、お医者さんと看護士さんが僕の自転車の後を白い車に乗って来てくれたんです。そして母親は無事に助かりました。やっぱり大切な人を守るには一生懸命説得しなきゃいけないというのが子供心にあって、そこが原体験になったなとは思うんですよね。
そのお医者さんはもうお亡くなりになったのですが、今でも命の恩人です。
「購買心理」に基づき、物を売るための型を作る
人間のタイプっていろいろあり、営業に向いているタイプ、僕のように理論派・思考論理タイプもいれば、感情を重要視するタイプなどいろいろ分かれてくると思います。
僕は営業に特化した顧客分類のようなものをやっているのですが、自己分析すると、僕は思考論理タイプで感情を重視するタイプではないため、人の気持ちを天性に理解するというより、考えて理解するというのが強いです。
人をまとめることが天性でできる人、そうではない人が生きて行く上で営業力が必要になり、上手くいかずに苦しんでいる人もいるわけです。そこで僕は「購買心理」に基づき物を売るという自分の型を作り応用していきました。それを基に営業教育を行い、自分の集団を作ることができました。これは後者のタイプの層に受けているんです。「台本」があることでできる人はできるんですよね。
レシピがある上司とレシピがない上司だったら、レシピがある上司につくことで、営業力が上がり、自己成長にもなる。
最初は自分のため。自分が売れるためにはどうしたらいいかと考えていき、それをどう教えるか、という次のステップへ。営業では職人的に数字を上げていくタイプと、マネジャー業と大きく2つに分かれると思いますが、自分が数字を上げていった方が楽だよっていうのではなく、自分のグループ・軍団というものを作っていこうと思ったんです。その時には、根拠がないとみんな聞いてくれないので。自分だけではなく他人がわかるように、購買心理を切り口に「台本」を作っていきました。これで成果がでたことで、その教育をしていこうと考えたのです。
「購買心理」に基づいた5つのステップ
~成約率を80%以上にするために~
一番は 『誰が話すか?』 『何を話すか?』 『どう話すか?』
その中で、『何を話すか?』という「営業台本」の作成と、そして『どう話すか?』を改善することが、成果を出すための一番の近道だということに気づきました。『何を話すか?』に関しては、「購買心理」に基づく5つのステップ、階段があることがわかったのです。
まずは、『人間関係を構築』しましょう。例えば、いきなり商品説明をしようと思っても売りに来たのかって身構えてしまうじゃないですか。なので、人間関係を構築することがすごく重要です。
例えば『ジョハリの窓』の考え方。
自分は知っている、他人も知っているは「開放の窓」。自分は知っていても他人は気づいていない「秘密の窓」ってありますよね。この「秘密の窓」の部分を知っているような人間関係をいかに作るかってことなんですよね。他の営業マンには話していない商品やサービスに関する悩みや苦しみを僕が知ったら特別な人間関係になるわけじゃないですか。その関係を短期間でどう作るかっていうことをやっています。
次に、『ニーズの深掘りとウォンツアップ』。「ニーズ喚起」だけで終わらせるのではなく、今のままでは大変なことになりますよと『ニーズの深掘り』で地獄を見せるというやり方です。なんか煽ってるんじゃないのと言われることがありますが、煽ることとは違います。
その秘密は、人間関係をどう作るかという前のステップ、そして、全5つのステップが組み合わさっていることです。
天才外科医はなんで天才外科医なのか?
累積経験量なんですよね。僕もできる限りギリギリまでコンサルすると、いろいろな臨床例がでてきます。僕の知らない業界もありますが、それをやることによって、ノウハウがどんどん蓄積されていくわけですよ。そうすると、さらにお願いします!のような循環になっていくんです。ある程度数をこなすと時間的に限界になるため、その後はお弟子さん作りになっていくのですが。臨床例というか、症例を増やしていく。知らない業界もできるようにするためにはやはり数をこなすことかなと思ったんです。量をやっていくとどんなものでも対応ができると思うんです。
僕の場合はコーチ、カウンセリングスキル、人との関係性を作って聞く態勢を作っていただき、あとはロジカルシンキングや問題を特定するという基本的なスキルがあるので、新しい業界もできるわけなんですよね。やり続けることで症例ができ、新たな業界もできてくる。基本的にはどんな業界もほぼできます。営業マンの数が一番多いのは、保険や不動産のお客様ですが、企業の経営者は、トップセールスとか普通の人をさらにトップセールスにするのではなく、普通の人を普通に売れるようにさせたいわけです。僕がやっているのはそこなんです。
ビジネスポリシー ~継続改善に挑戦する~
一番大事にしていることは、継続して改善し続けることです。
“継続改善に挑戦すること”をビジネスポリシーとしています。
改善するきっかけとして、「台本」があるということです。「台本」という基準、標準がないと改善し続けられないじゃないですか。ですので「営業台本」を作成するのです。
僕はやりきりの仕事は興味がなく、今は結果が出なくても、3年後5年後、ずっと改善し続けていれば結果が出る。思考論理で合理的に考えていくタイプの人は改善スキルっていうのがしっくりくる。僕がお会いする営業マン、企業の経営者で、スキル、メソッドが好きな人、標準化したものが好きな人に、「営業台本」がピタッとはまると思います。
最大のリフレッシュ方法
~自分は何が一番満たされるのかがわかること~
僕は仕事が残っていることがとストレスに感じるため、自分が抱えている仕事がどんどんなくなっていくとスッキリするんですよね。ハードワーカーに多いタイプかもしれないですけれど。時間の枠組みとかを結構重要視していて、その仕事がなくなっていくとスッキリするということがわかりました。
いかに効率よく進めるか、自分の見方ではありますが、それは一生追求していくことなのかなと思います。継続改善ですので、完成することもないと思いますけれど。
心理的要求ってみなさんそれぞれじゃないですか。車でスピードを出してスリルを味わうことが好きな人、ギャンブルが好きな人、感情とかが好きな人は心地の良い喫茶店に行ったり、好きな香りをかいだり五感を大切にすることで心が豊かになる人などいろいろなタイプがいます。
今僕が考えているのは6つのタイプがあること。実際に次の本で書きたいんですよね。
自分は何が一番満たされるかってわかってくるといいかもしれないですね。
趣味・リラックス方法・健康法
・・・パフォーマンス向上にむけて筋トレ
40歳を超えた頃から、更年期障害のような症状で、鬱っぽくなるときがありました。ホルモンバランスが関係していると思うのですが、筋トレすると攻撃性のホルモンが出るのでしょうか、調子がいいんですよ。ジムに行って、1時間のウエイトトレーニングやキックボクシング。前後で2時間ほどかかり実は面倒くさいなと思うのですが、やらないと調子が悪くなるんですよね。なので、週に1~2回、できれば3回ぐらいはジムに行くようにしています。one-on-oneじゃないですけど、パーソナルトレーナーをつけて強制的に。約束してないと行かなくなっちゃうので。
僕のお客様は中年の男性の方が多く、メタボだからどうしよう、糖尿が大変だって言う層。そういう方たちにうけるような自己管理をしています!的なアピールでやっています。(笑)
将来の夢
世界に通用するような営業コンサルタント会社を作っていきたいと思っています。
プロフェッショナルの営業コンサルが何人もいる。そこで育って自分で独立しても良いし、マッキンゼーの営業コンサル版みたいなそういう感じです。
また、セールスや営業を学校や大学で教えるのも必要だと考えています。
今後、そういったことも展開できたらいいなと思っています。
■取材チームからの一言
『最強営業インタビュー』第2弾として、今回ご紹介させていただいた加賀田先生。
営業マンとして成功され、現在はその極意を多くの方に伝授されています。
インタビュー当日、とても緊張してお伺いしたところ、とても和やかな語り口で、私たちの緊張をほぐしてくださいました。
営業を軸に、経験された予備校講師、コンサルタントのノウハウを合体。
ビジョンも明確にされています。
また、ご自身を分析されることで、何で自分は一番満たされるのかを理解され、それに基づいて行動されていらっしゃいます。
さらに、自分とは違うさまざまなタイプについて整理されることで、相手の理解を深め、受け入れてくださる理解者のような印象を受けました。
加賀田先生のもとに、営業の極意を学びに来られ、繋がりを持たれる方は、加賀田先生の人間的魅力にも惹きつけられているのではないかと思います。
論理的な思考でとても分かりやすく、情熱が溢れるような加賀田先生のお話しに、私たちも前のめりに。実は、次回作の案も内緒でお話しくださいました。こちらは2、3年後・・・
営業職でない私もとても興味深く、生きて行くための教科書にもなるのではと思う内容で、今から楽しみでなりません。
プライベートの意外な一面も。お気に入りのお店「魚貞」で、美味しいものを食べて、ビールを飲んでプシュー! ぜひ私も味わってみたいなって思いました。
今回のインタビューを快くお受けくださった加賀田先生に、心より感謝を申し上げます。
ありがとうございました。
プロフィール詳細
プロフィール | 生年月日 | 1969年2月15日 |
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出身地 | 東京都武蔵野市 | |
血液型 | B型 | |
生活リズム | 平均起床時刻 | 7時 |
平均就寝時刻 | 12時 | |
平均睡眠時間 | 7時間 | |
平均出社時刻 | 10時 | |
平均退社時刻 | 22時 | |
自己流 | ゲン担ぎ | 無し |
集中法 | 昼寝 | |
リラックス法 | 筋トレ | |
健康法 | 筋トレ | |
休日の過ごし方 | 筋トレ | |
座右の銘 | 継続改善 | |
好み | 趣味 | 筋トレ |
好きなブランド | 無し | |
好きな食べ物 | 焼肉 | |
好きなお酒 | ハイボール | |
好きなエリア | 新宿 | |
好きな色 | 紺 | |
お薦め | 愛読書 | 特に無し |
ビジネスパーソンに薦めたい本 | 営業は台本が9割 | |
よく行くお店 | 「魚貞」 大ヒットマンガ、新久千映の「ワカコ酒」に登場するお店。女性版「孤独のグルメ」 |
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