今いる仲間で「最強のチーム」をつくる 自ら成長する組織に変わる「チームシップ」の高め方 株式会社パジャ・ポス 代表取締役 池本克之氏

著者インタビュー
今いる仲間で「最強のチーム」をつくる
自ら成長する組織に変わる「チームシップ」の高め方

株式会社パジャ・ポス
代表取締役
池本克之氏(いけもと かつゆき)

執筆の動機

自身が経営者として悩み続けてきたことの解決策を、自ら手に入れた!

この本のサブタイトルにも使っている「自ら成長する組織」というコンセプト自体は、僕自身がオリジナルとして生み出したものでも、特段、新しいものではありません。このコンセプトの出会いは、新卒で入社したリース会社の後に転職して入ったソニー生命にさかのぼります。ソニー生命は、当初プルデンシャル生命との合弁で設立されたため、プルデンシャルと分離した後も、プルデンシャル流のリクルーティングや人材開発に力を入れている会社でした。リース会社から転職しようかと考えていた時に、当時のソニー生命の教育課長にピーター・センゲの「最強組織の法則」を読むようすすめられ、“学習する組織”という考え方の重要性を知りました。ただしこの時点では、まだ知識として理解したレベルです。それでも、“組織”というコンセプトが僕の心に残ったのは、それまでに下地になるような苦い経験や思いがあったからです。

この本にも書きましたが、僕は大学卒業後から30歳くらいまで、とにかく猛烈に働いていた時に、周囲の人がバカに見えて仕方がなかった時期がありました。僕自身、極端な性格なので、何事もとことんやらないと気が済みません。就職したからにはと、当時、誰よりも働いていました。毎日、始発で出社して終電まで働いていたので、当時の上司が総務部から「池本はオフィスで何か不正を働いているのではないか」と疑われたほどです。人より働けば、当然業績は上がります。ところが周囲には、一生懸命やりもしないで不平不満ばかりを口にしている同僚・先輩がいて、心の中では彼らのことをバカにしていたのです。

業績は上げていますから、24,5歳の時には、年上を含めた部下を7名も持っていました。また、先輩や幹部を飛び越して、社長から直接ゴルフに誘われたりもしていました。休日の朝、若手ばかりの社員寮に社長が車で僕だけゴルフの迎えにくるのですから、周囲の僻み・やっかみは並大抵のものではありません。ところが、当時の僕には、周囲を上手く使って成果を出すという発想がまったくなかったので、バカは相手にせず、信念を持った自分だけが頑張ればよいというますます頑なサイクルに入り込んでいたのです。そんな時に出会ったのが、先の教育課長でした。そこで、組織を使うことが出来れば、一人でフル回転している今のリース会社よりももっと大きな成果が出せると考えたのです。しかし、まだまだ僕にとって“学習する組織”は、頭で理解するレベルで、実践しようとしてもなかなか成果にまで結びつけることが難しいものでした。

ソニー生命の後は、プロ経営者として複数の企業の社長をつとめました。そのうちの2社は、僕が社長の時代に急成長しました。その間も、何とか全社一丸となって成長を目指しましたが、常に何かしらの人と組織の問題で、すっきりと心が晴れることがありませんでした。

その後、コンサルタントとして独立し、これまで多くの経営者の相談に乗ってきました。そこから見えたことは、どんな経営者でも「人と組織」に悩んでいるということです。また、それは個々の社員が持つ能力の問題ではなく、チームとして全員の心がひとつになっていないことに原因があることに気が付きました。

スタッフ自らTDCを行って打ち出した「組織学習経営」
スタッフ自らTDCを行って
打ち出した「組織学習経営」

実は、当社が「組織学習経営コンサル」を打ち出したのは、今年(2014年)の1月からです。それまでは、「業績向上」や、僕自身、経営経験のある強みから「EC」などをテーマに、グループコンサルティングのメソッドを開発して、上手く集客と安定収益を確保することが出来ていました。それが、昨年の秋ぐらいから人が集まらなくなってきたのです。加えて、コンサル終了に伴う自然減の退会もありますから、このままいったらジリ貧になることが予想されました。そこで、今後の会社の方向性やポジショニングを再検討するために、今年の1月にスタッフ全員で合宿をしました。ある意味、自分たち自身が後述するTDCをやってみたということです。その中で合意できたことは、今後のコンサルティングのテーマ(=経営者が解決すべき悩み)を、これまでの「儲かる(収益向上)」から「人と組織」に変えようということでした。1月の合宿後、2月のテストマーケティングの反応が良かったので、3月と4月でプログラムを完成させました。考えてみれば、僕自身が若いときから経営者の時代も含めてずっと悩んできたことが、めぐりめぐってようやくその解決策を自ら手に入れることができたと言えるのです。

そして、数年前から実施していたTDC(Teamship Discovery Camp;チームシップディスカバリーキャンプ)を組織学習経営のメソッドの一つとしてまとめた本書を出版することができました。

プログラムの反応としては、特に、事業承継を考えている50代のオーナー社長に非常に響きました。50代と言えば、まだ自分が10年くらい現役でできる。しかし、少子化のために子供の数が減ってきているので、親族と言っても後継者の候補は多くない。息子がいたとしても、年齢的にはまだ若く不安がある。そのため、今すぐ世代交代というわけにはいかない。かといって、今の幹部の年齢は、自分と同じくらいか年上が多く、次世代としてはこれも違う。それならば、自分がもう少しがんばって息子の成長を待つしかない。そのためには、今いる社員で最高の成果を出せる組織を作っておいてやりたい。そう思うオーナー社長にTDCはピッタリとはまったのです。この場合、キーになっているのは、本のタイトルでもある「今いる仲間で」です。外部からの優秀な人材の採用に過度な期待をせず、まずは、今一緒に仕事をしているメンバーの力を最大限発揮してもらう仕組みをつくろうという考え方が非常に評価されています。

今いる仲間で「最強のチーム」をつくる 自ら成長する組織に変わる「チームシップ」の高め方(日本実業出版社)

組織の「成長請負人」と呼ばれた著者が、自身も悩んだ「人の問題」を解決するため、長年、試行錯誤して体系化したプログラム、「TDC(Teamship Discovery Camp)」を初公開!4ステップで効果が続く!実践法をやさしく解説。

Pocket

Comments are closed