伝統を積み重ね、自ら行動するプロ人材は、新たな食のよろこびを世界に提案する

トップインタビュー
キッコーマン株式会社
執行役員 人事部長
松﨑毅氏(まつざき つよし)

キッコーマンと聞くと「しょうゆ」をイメージする人が多いと思いますが、実は和風調味料や「ケチャップ」「トマト飲料」などのデルモンテブランド、「豆乳飲料」そして、「本みりん」「ワイン」などの酒類、その他健康食品など展開は多岐にわたります。
競争が激しい変革の時代で生き残るためにも、多様化する消費者のニーズに新たな価値を生み出し続ける「プロ人材」の存在が大きいのではないでしょうか。
人事トップの松﨑執行役員には、キッコーマンとして国内外で新たな価値を創造する人材育成戦略について伺いました。

ビジネスポリシー ~企業として大事にしていること

『産業魂』社会にとって存在意義のある企業となる

グローバルビジョン2020のひとつには、
キッコーマンの「産業魂」が受け継がれている

当社では、世界恐慌の2年前、1927年に「野田の大争議」と呼ばれる200日以上に及ぶ大きな労働争議が起きました。当時の社長であった茂木七郎右衛門は事態を収拾した後、荒れた会社を立て直すために、1928年に「『産業魂』に徹するべし」という経営の基本理念を示しました。
『産業魂』とは、「経営の究極の目的は国家の隆昌、国民の幸福増進であり、日本の社会組織の根帯は家族制度ゆえ、日本の産業もまた家族主義的精神が貴重でなければならず、人間の互助・相愛の確立が根本である」という想いを一言で表したものです。
『産業魂』が示しているのは、「会社は公器である」ということです。資本主義経済の社会にあっても、企業は利益・儲けにのみ走ることなく、また、私を資するものではなく、広く社会に貢献する存在でなければならないという考えです。
当社では、この理念が創業間もない頃から脈々と受け継がれているのです。
最近では2008年4月に、グループの未来に向けたビジョンとして「グローバルビジョン2020」を策定しました。この「グローバルビジョン2020」のなかで定めた目指す姿のひとつにも、企業は社会に資するという「地球社会にとって存在意義のある企業となる」を掲げています。

食品の「安心」「安全」を守って「信用」「信頼」を得る、顧客本位・消費者本位

食の安心・安全を提供するため
徹底した衛生管理を行う

食品メーカーとして守るべき最も重要なことは、お客様にとっての「安心」「安全」です。当社では「地球社会にとって存在意義のある企業」と合わせて、『消費者本位』を経営の基本理念に掲げています。
安心・安全によってお客様からの「信用」「信頼」を得るために、とにかく顧客第一主義に徹しています。
お客様のところにまで影響の出ないことでも、何かあったらすぐに安全衛生委員会を立ち上げて、原因を徹底的に追究し、再発を防止する一連の動きは社員の基本行動として浸透してしています。
当社は歴史の古い会社で動きが遅いと思われがちですが、お客様のリスクへの対応は迅速です。当たり前のこととして、会社の仕組みと社員の意識・行動にしっかりと浸透し、根付いています。当たり前のことを当たり前に愚直にやり続けることが、お客様の安心・安全を守っていく唯一の方法です。当社はこれからも、顧客本位を第一として、地道に真面目な姿勢で取り組んでいきます。

社員一人ひとりと向き合い、顔をみながら行う人材育成

当社はグループ全体を合わせると社員は5,000名を超えますが、グループの核であるしょうゆなど調味料の製造・販売を行うキッコーマン食品をはじめ、個々の会社でみるとそれほど大きくなく、少数精鋭でやっています。
したがって、経営や人事から全社員の顔が見えていますから、各社では一人ひとりを大事にした人材育成・能力開発を行っています。

当社グループは、千葉の野田・流山にあった醸造家8家が合同で創業しました。大家族主義・相互扶助主義によって会社を大きくしてきた歴史を踏まえ、これまでリストラや肩たたきのようなことはしていません。
もうひとつの経営理念として、先ほどの『産業魂』にも、日本の企業経営には家族主義と互助・相愛の精神が重要であると謳われています。
たとえば育児休暇など、社員を守る人事制度・福利厚生制度についても、弊社では法整備以前から導入していました。また、法整備後は法制以上の仕組みを用意しています。
社員(人)を大切にする、社員一人ひとりと向き合うことは当社グループの大事なポリシーです。

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