株式会社宿泊予約経営研究所
代表取締役社長
末吉 秀典 氏

喜んでくれるさまを一つでも多く創りたい

株式会社宿泊予約経営研究所
代表取締役社長
末吉 秀典 氏

株式会社宿泊予約経営研究所 代表取締役社長 末吉 秀典氏

末吉 秀典(すえよし ひでのり)1990年4月 株式会社 NKB入社
2000年8月 株式会社トラベルサイト 取締役就任
2004年3月 株式会社アローズ・システムズ 入社
2004年9月 株式会社宿泊予約経営研究所 代表取締役就任

株式会社宿泊予約経営研究所は、2004年9月に全国の宿泊施設における集客支援や観光地域の活性化支援を目的に創業され、今年14周年を迎えられました。

これまでに国内外で約4,600軒にもおよぶ宿泊施設様のご支援をしていらっしゃいます。

今回は、職業:『旅人』と掲げられている、末吉社長ご自身が大事にしていらっしゃる経営観、人材観に対する熱い想いを伺いました。

ビジネスポリシー ~商いで大事にしていること

フィロソフィー ~創業からの文化を形にして~

創業から10年経った2014年、ちょうど社員数も100名を超えたタイミングで宿研フィロソフィーを策定いたしました。創業当時は、お客様である宿泊施設様の予約を増やすことに対する「熱意」「好奇心」「プロ意識」の中で社員同士には阿吽の呼吸が存在していました。

しかし、社員数が100名を超えた組織になってみると、創業時のような「阿吽の呼吸」が新しい人たちに伝わりにくくなっていると感じていました。そこで宿研フィロソフィーを策定し、創業からの文化を形にしました。今では、社員の心構えとして宿研フィロソフィーは存在しています。弊社で働くことをご希望される方には、この宿研フィロソフィーをご理解頂いた上でのチャレンジをお待ちしております。

価値観 ~大事にしている4つのこと~

私自身が創業した会社なので、良くも悪くも私の想いが経営に大きく影響します。ビジネス上の価値観が合わないと仕事をしていてもお互いに楽しくないと思いますので、まず私自身がこういう人間だということを明らかにしています。

私自身が大事にしている4つの想い

① 当たり前のことを当たり前に実行する

② 何事にも挑戦して成長することを楽しむ・行動することを楽しむ

③ 誰かに支えられていることに感謝をする

④ 自分に与えられた有限の時間を自分のために使う

この4つの想いをベースに経営していますので、この価値観に共感できない方とビジネスでご一緒するのは少し難しいと考えています。

本当にやりたいこと

弊社の直接のお客様は全国の宿泊施設様ですが、その先に宿泊施設を利用されるお客様がいらっしゃいます。弊社は、宿泊施設様と一緒になって宿泊されるお客様お一人お一人に「喜んでくれるさまを一つでも多く創りたい」という想いで立ち上げた会社です。

私たちがビジネスで実現したいのは、この喜んでくれるさまを宿泊施設様と一緒に創ることなのです。

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商い道

商い道

信用・信頼そして協働する ~私たちが目指す商いという回転~

商いのベースはお客様から信用されることにあります。京セラ創業者の稲盛氏がおっしゃった言葉を私も大事にしています。

商いとは、お客様とのビジネスを通じ、お互いの信用・信頼関係を育み、それを継続して回して行くことです。ビジネスを超えて、お互いが尊敬できる関係でお付き合い頂けることが一番理想的なビジネスの形だと考えています。

「信用とは」 ~当たり前のことを大事にする日々の積み重ね~

弊社スタッフが日々約2,600軒の宿泊施設/パートナー様と向き合う中で、商いが「処理」や「受け身」となったり、逆に「丸投げ」や「放任」といった仕事になったとき、信頼・信用・尊敬の関係は構築できません。

弊社はこの14年間、当たり前のことを大事にする想いを持ち続け、頂いた仕事を当たり前にやり抜くことで「信頼・信用」関係を構築してきました。

「信頼とは」 ~同じ方向へ共に努力して歩む姿~

頼られることのさまが「信頼」ではなく、自分と相手が同じ方向に共に努力して歩む姿、これが「信頼」と考えています。

お客様である宿泊施設様の良い予約を増やすというニーズに対して、弊社もまだまだ努力が必要です。宿泊施設様との信頼関係を築き、良いお客様を増やす為に、更にお客様と協働していく企業にしていきます。それこそが、弊社が目指す商いとなります。

全社員と会社の経営状態を共有 ~経営視点を養う取り組み~

北海道では手書きのメッセージを入れ売れ行きが好調
合言葉は「社員全員が経営に参画せよ!」

月に1回、全国の拠点(本社・東北・関西・九州)に私が赴き、全社員に経営状態を発表する場を設けています。これは創業から継続していることですが、月次ごとに儲かっているかいないか会社の通信簿であるPL/BS/CFを全て開示しています。これは社員一人一人が「大まかな経営動向をいち早く読み取れる力の習得」と「数字に強くなる」という経営感覚を養う為に実施しています。数字の良いときも悪いもときもありのままを開示するため、社員は敏感に反応して不安が生じることもあります。

それでも、それ以上に経営状態を共有することの方が大事だと考えています。今では自らMBAを取得するために学校に通うスタッフも出てきており、自己啓発のきっかけにもなっているので嬉しく思います。

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求める人材像

求める人材像

自力自活 ~私たちが最も大事にしている想い~

弊社は現在160人程度の企業規模になりますが、組織的にはまだまだ試行錯誤の段階です。

今現在もトライし続けている会社ですので、待ちの姿勢では仕事は回ってきません。私たちは「自らの力で自らが活きること」を大事にしています。自分たちで仕事を作りだしていく、『自力自活』という部分に挑戦したいという想いを持っている方を求めています。

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ユニークな人材開発プログラム

ユニークな人材開発プログラム

公募型プロジェクト

毎月様々なプロジェクトが発足し、メンバーを公募しています。まだ少数ですが、自らの手を挙げてチャレンジする社員達がいます。多くの社員がチャレンジできる環境や機会を更に創っていきたいと考えています。

新卒採用・採用育成プロジェクト 
~部署の仕事としてではなく積極性を重視~

「2019年度 新卒採用プロジェクト」「2020年度 採用・育成プロジェクト」を立ち上げました。また同時に新部署を創り、移籍を希望するなどの公募も行っています。

新卒教育 ~活躍できるビジネスパーソンとなるためのベースを吸収~

新卒教育の取り組みとしては、入社後1年半の間は全員を営業部署に配属させます。

商いのベースはお客様と直接接する営業現場と考えていますので、まずは営業現場を経験してもらいたいと考えているからです。専門スキル、例えばマーケッターやデザイナー・フォトグラファーなどの技術も大切ですが、ビジネスのベースはコミュニケーションだと思います。コミュニケーションがとれないとよほど突き抜けた専門スキルを持っていない限り、ビジネスでの生き残りは厳しくなります。スキルがなくてもコミュニケーション能力があれば、幅広くビジネスで活躍できるチャンスがあるので、新卒者にはまずその経験を積ませたいと考えています。コミュニケーション能力が向上すれば、それから先に、専門スキルをより磨けば良いのです。自分で営業ができて且つ製品やサービスが創れる人ほど強い人はいません。営業部配属の1年半で日本全国100泊以上、少なくとも1000人近い宿の経営者と相対することで、良い宿・儲かっている宿・元気な宿と元気でない宿の違いを自分の目で見て肌で感じてもらいたいと思います。お客様からの学ぶ様々な経験が、その後のビジネスに生きると確信しています。

新卒社内公募制度 ~行きたい部署を自分で宣言~

新卒生は営業部署で1年半経験した後、自分が希望する部署を自ら宣言します。一般的に、研修が終わると会社が本配属を決定しますが、弊社では自力自活の精神を大事にしているため、新卒社内公募制度というプログラムを導入しています。

部署も立候補 ~新卒生を受け入れるためのプレゼンテーション~

各部署も新卒生を受け入れたい場合、まずは立候補をします。新卒生に向けて、なぜ受け入れたいのか、どんな仕事を一緒にしたいのかプレゼンテーションする訳です。新卒生はその内容も参考にしながら、最終的に自分の希望を決めていきます。

FA制度 ~キャリア採用の方の挑戦意欲に応える~

キャリア採用では部署ごとの採用計画に沿う為、基本的には異動は少ないのですが、他部署への挑戦を希望する人材もいます。その意欲に応えるべく、来年度以降にFA制度を整備する予定になっています。

人気のある部署にするために ~自部署の存在価値が問われる~

FA制度を導入して組織運営していますので、人気のある部署は人材が集まり、人気のない部署には誰も応募がありません。組織運営上では問題もありますが、人気がないということは自部署の存在価値を他部署の社員にうまく伝えられていないという証です。人気は評価でもありますので、自部署の価値をどう上げていくのかが重要となります。部署運営も『自力自活』の考えですので、自部署であるべき部署像の方向性を決めてもらい、実現まで経営も一緒に手伝うと常日頃から伝えていることです。

旅館運営を学ぶための体験型研修

長野体験型研修を行う長野の旅館「静かな渓谷の隠れ宿 峡泉」
長野体験型研修を行う長野の旅館
「静かな渓谷の隠れ宿 峡泉」

今年7月より、長野の旅館「静かな渓谷の隠れ宿 峡泉」(弊社の子会社 株式会社良地良宿が運営)で旅館経営を学ぶための体験型研修を始めました。実際に来館されるお客様への接客対応や館内清掃など、実際の旅館運営を体験します。 既に参加した社員からは「旅館運営を体感し、その大変さを実感した」「宿泊施設様の気持ちが分かるようになった。今後の業務に活かしたい」など、学びや気づきを得られたという声が数多く上がっており、この体験型研修は人材育成に大いに役立っていると思います。

稲作プロジェクト ~過程を知ることの意義~

黄金色に輝く稲穂に自然と笑みがこぼれます
自身が体験することでお客様の想いを共有できる

9月には1泊2日で稲刈りを行う「稲作プロジェクト」を新卒者の内定式も兼ねて開催しています。宿泊施設様の提供される料理は集客の重要なファクターです。弊社は美味しい料理の魅力を言葉や写真で表現する訳ですが、どのように食材が生産され、どういう想いで料理を創作するのか、なかなか知る機会がありません。どういう風に食材が生産され、料理に変わる過程を私達自身が体験することは、お客様の想いを共有する意味で大変重要なことと考え、自らお米を作っている宿泊施設様にお願いして体験させてもらっています。内定者にとっても、我々経営からスタッフと一緒に汗をかき、一緒に食事をすることで親交を深める良い機会になります。

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20代30代のビジネスパーソンへのアドバイス

20代30代のビジネスパーソンへのアドバイス

人より一歩前に出てやってみること

自分がリーダーになりたいと思う気持ちが強いのであれば、若いうちから会社や仕事でどんどん尖ってみて、チャンスと思うことには先に行動することが大事だと思います。

人より一歩前に出るということは周りからの反発もある「出る杭は打たれる」ということでもあります。しかし、それでも積極的に行動した人がビジネスの成功に近づけると思います。「前に出ることを恐れないで前に出る!」ということを贈る言葉とさせていただきます。

■取材チームからの一言

横浜ランドマークタワー20階にある宿泊予約経営研究所社は、スタイリッシュで開放感があり、社内コミュニケーションがとりやすいオフィスでした。信用・信頼を商いの基本として、宿泊施設様と協働していく姿勢で着実に成長されている宿研社。末吉社長の想い、そして社員皆様の活き活きとした姿を拝見する中で、観光立国を目指す日本マーケットでどんな取り組みをされるのかさらに期待は膨らみます。

私も旅に出てみよう!!そんな気持ちにさせてくれる宿研社、そして末吉社長の熱い想いに魅了されました。

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