人に優しい会社をつくる!
株式会社マックス 代表取締役会長
澤地 哲夫 氏

株式会社マックス代表取締役会長 澤地哲夫氏

株式会社マックス 代表取締役会長
澤地 哲夫(さわち てつお)氏

株式会社マックス代表取締役会長 澤地哲夫氏
株式会社マックス代表取締役会長 澤地哲夫氏

著者プロフィール

株式会社マックス代表取締役会長
1958年(昭和22年)東京都生まれ。広告会社、SP(セールスプロモーション)会社に身を置いた経験から、売れる売り場をつくる「店頭マーチャンダイジング」の将来性にいち早く着目。 また、頑張る社員が報われない”冷たい会社”に疑問を感じていたこともあり、「人に優しい会社をつくる」ことを目標に53歳にして起業。 社員に対する「愛・情・熱」を大事にし、理不尽な取引先には仕事の断りを入れ、楽しく仕事をする「ワクワク経営」という理念を貫きながらも、創業以来黒字経営を続け、17年目に年商50億円を突破。 2015年 社長を退き、現職

執筆の動機

チャレンジするシニアの方を応援したい

シニア世代が活躍できる世の中へ
シニア世代が活躍できる世の中へ

私は70歳という一つの節目を迎えたということで、今までの人生をまとめたいと思いました。この時、自伝などよりも、何か皆様のお役に立てるようなものを書きたいと思っていました。

幸い、私は53歳で会社を設立し、売上50億という節目を迎えることができました。 そのような私の生き方や考え方を書くことによって、「何か新しいことを始めようかな」とか「もう一勝負かけようかな」と思っている方々のお役に立つことができるのではないかと思い、執筆しました。

社員への「愛・情・熱」を大事にし、理不尽な取引先にはNOを突きつける。楽しく仕事をする「ワクワク経営」という理念を貫きながら、創業以来、黒字経営を続ける信念とは─。53歳で起業し、年商50億円の企業に導いた経営者が大切にしているのは、愛と勇気、信念とプライド。迷える経営者はもちろん、起業を志している人、第二の人生を考えている人へ贈るビジネス書!

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生い立ち

生い立ち

幼少期~中学生 手のつけられない腕白小僧

野球ばかりしていた少年時代
野球ばかりしていた少年時代

私は、北千住という下町で3人兄弟の末っ子として生まれました。母からは「学校の先生になりなさい」と小さい時から言われていて、裕福な家庭だったものですから家庭教師も付けられました。ですが、いつもすっぽかして野球ばかりしていました。

中学生の時にも、遠くの有名な学校に行くことになって、通うのが大変だからと私に運転手が付いたんですね。運転手さんは僕の下校時までずっと待っていてくれたのですが、それをいつもすっぽかして友達と遊んだり、野球やってたり・・・。親には「運転手さんはどうするんだ!」と叱られました。

その頃は本当に何も考えず、好きなことばかりしていましたね。ただ、そういう中でも新しいことが好きで、新しい野球チームを作ったりしました。

高校生~社会人 父の会社が倒産

高校2年生の時、父の会社が倒産しました。夜逃げ寸前までいきましたが、そんな中でも母親は大学進学を勧めてくれました。しかし、進学にはお金がかかりますし、当時は大学に行く意味も見いだせなかったため、私は就職することにしました。そこで、好きだったカメラの道を選んだんですね。「手っ取り早く儲かるんじゃやないか」と思ったし、ちょっとカッコいいじゃないですか。それで、得意だったスキーを活かせる雪山カメラマンになりました。いいロケーションを探すために自分で滑って降りてきて。滑れないカメラマンはたくさんいたので、重宝されましたね。初めて海外に行ったのがヨーロッパでした。

社会人 カメラマンから営業

趣味のカメラを仕事に
趣味のカメラを仕事に

スキーとカメラマンを両立し、海外で滑っては撮って、雑誌社に売るという仕事をしていました。好きなことで稼ぐ、最高に楽しかったですね。

しかし、ある日突然、社長から「営業になるか、会社をやめるかどちらか選べ」と言われてしまいました。自分ではいい線いってると思っていたんですが、「趣味でやっている分にはいいが、売れる写真ではない」と。その時は頭にきて辞めようかなとも思ったのですが、実際に営業をやってみると意外と性に合っていました。

ビジネスポリシー

営業は根性

営業マンは根性が大事
営業マンは根性

営業になりたての頃は私も全く仕事を取ることが出来ませんでした。周りの先輩達は、朝、喫茶店でお茶してるんですね。そこからパーッと散って行くんですね。それほど苦労せずに仕事を取ってるように見えた。なぜ同じようにして私は仕事を取れないんだろうと悩みました。

そこで、私は周りと同じようにしてはダメなんだと気づきました。そこからは逆に周りを反面教師にして、営業としてのコミュニケーション法などを自分で模索しながら必死に営業をするようになりました。一つ契約が取れた頃から、これだと思う営業スタイルを掴むことができましたね。

今は少し違うかもしれませんが、昔の営業はやはり根性がなきゃダメじゃないですか。諦めたりしたら。そういう意味では、毎週通う。そこで断られてもまた通う。これは当たり前でしょうね。一番大事だと思います。そして、商売してお金を貰うってことは、第一にお客様の売上げが上がっていかなきゃいけない。お客様の売上を上げるのが一番なんです。売り込んだ後、長いことお客様との関係を作っていくことが大事ですね。

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人にやさしく

人にやさしく

社長も参加する社員の誕生会
会長や役員も参加する社員の誕生会

会社を始めてから3,4年目になったころ、社員の依願退職が続くようになりました。小さい会社ながらも昇給制度もあり、ボーナスも出していました。しかし、どんどん社員がやめていきました。

そこで、私のやり方が間違っていたと気付きました。その当時は、自分は営業として売上を上げることに精一杯で、社員を隅々まで見ることもできず、社員が何のために働いているかと考えられなかったんです。私もそういったやりがいのなさを理由にした転職の経験があり、私も当時の会社と同じような間違いをしていたんだと気付くことができました。

きちんと社員と向き合って、社員が何を考えているかや、どんなことを求めているかを理解しないと長続きしないと思いました。そこから「社長塾」を始めたのですが、そうやって対話をしながら経営を行っていきました。そうすると、社員と気持ちが通じ合うと同時に業績も好転していき、その二年後には高い利益を上げることができました。

「会社は経営者だけのものではない。社員のものである」という考え方を私は経営の基本としています。つまりは、社員を優しく指導しながら社員が一生働ける会社をつくる。このことが「人に優しい会社を創る」という意味なのです。ですから、「すごい会社」と言われるよりも、「人に優しい会社ですね」と言われる方が心地いいんです。

人材の教育

マックスパーソン10の行動規範
マックスパーソン10の行動規範

名の知られていない中小企業にいい人材なんてこないですから、人材の教育は重要です。今でこそ業界ではある程度知名度も上がってきているので優秀な人も入ってきますが、当時は「営業ができない」、「人とのコミュニケーションもあまりうまくいかない」という人ばかりでした。でも、そういう人たちを一人前にするのが楽しいです。 特に、弊社では商材がなく、自分を売り込まなきゃいけない。そのためには交渉力やコミュニケーション力が一番大事です。「マックス5力」や「マックスパーソン10の行動規範」と言うものを作ったのも、育って欲しいからなんです。
だから、当時は怒鳴ることも多かったと思います。そうしながらも大切に育てていました。

今後の目標

“The 100 vision”

弊社では”The 100 vision”というのがあります。これは2つの意味がありまして、売上を100億にするとともに100年続く企業にしようというものです。これはただ単に100億の企業にするというものではなく、その数字を目指す過程で会社として不備な部分を是正することが目的です。そうすることで、クウォリティの高い企業となり、社員が一生安心して働ける企業となりたいと考えています。

シニアの起業サポート

この本の執筆のきっかけにもつながりますが、私としてはシニアの起業応援などをしたいと考えています。

シニアの方々の中には能力があり、体力もあるのに、思ったことができないと考えている人が多くいます。そういう人たちに私なりのアドバイスをしたいです。そうすることで、少しでも私の経験がお役に立てばいいと考えています。

■取材チームからの一言

澤地会長の直筆サイン

少子高齢化社会となって久しい現代社会において、シニア世代が活躍しやすい制度の拡充が叫ばれています。実際に、多くの企業では”働き方改革”として、定年の延長や定年者の再雇用などが取り組まれています。

その中において、53歳で起業し、さらに売上50億円を突破した澤地会長は、”シニア世代の星”というべき存在であると考えます。澤地会長は、数年で定年を迎える時に一念発起して起業し、その豊富な経験に加え、溢れる情熱と絶え間ない努力で成功をを収めています。シニア世代ではない方においても、その経験や生き方は参考にできると思います。

今回のインタビューにあたり、澤地会長とお会いして、70歳とは思えないそのバイタリティに感嘆させられました。澤地会長は、趣味のゴルフや社員とのパーティを、今でも先頭に立って楽しんでおられ、私はシニア世代への見方を完全に改めさせられました。 また、社長を退き、会長となった今でも、会社のことを第一に考え、支えている姿を拝見し、若い私ももっと頑張らなければと気合を入れ直しました。

プロフィール詳細

プロフィール 生年月日 1947.8.15
出身地 足立区北千住
血液型 O型
生活リズム 平均起床時刻 6:30
平均就寝時刻 23:00
平均睡眠時間 6~7時間
平均出社時刻 9:00
平均退社時間 18:00
自己流 ゲン担ぎ 期初の朝、お赤飯を頂く
集中法 お酒を呑む(お酒が入ると頭が冴える)
リラックス法 お酒を呑む
健康法 週1回のゴルフ
休日の過ごし方 本を読む(ジャンルを問わず月に平均4冊)
座右の銘 胆大心小
好み 趣味 音楽 作詞・文章を書くこと
好きなブランド ミラ・ショーン
好きな食べ物 鮨・肉類
好きなお酒 日本酒(辛口)
好きなエリア 福岡
好きな色
お薦め 愛読書 最近は、伊集院 静氏の著書が多い
ビジネスパーソンに薦めたい本 宇都宮恒久『山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス』
ビジネスにお薦めの店 人形町「田酔はなれ 歓盃(かんぱい)」
良くいくお店 茅場町「長寿庵」
Voice 秘書から一言 笑顔が素敵なカリスマ会長です その人心掌握術はずば抜けています。 社員は顧客のためのサービスはもちろん、会長の笑顔のために一丸となっています 現社長も会長の意を受け継ぎ、「人に優しい」会社を目指しています。 それを毎日近くで感じております。

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