ファーストヴィレッジ株式会社 代表取締役社長
市村 洋文(いちむら ひろふみ)氏
著者プロフィール1959年、北海道生まれ。立教大学社会学部に入学。在学中に、学生旅行ツアーを企画。年間1000台のバススキーツアーを企画し、4年間で60億円の売上を上げる。学生起業家の走りである。
大学卒業後、野村證券入社。新宿野村ビル支店時代に引き継いだ預かり資産を20億から2000億に増やすなど、手腕を発揮。個人で月間投信販売額500億円、月間手数料収入6億円の記録を打ち立てた。
その後、最年少で大森支店長に抜擢される。それから野村證券における本社営業企画部等、超エリートコースを歩む。
KOBE証券に専務取締役としてスカウトされ、その後社長として、預かり資産1兆4400億円を集め、KOBE証券を一人当たりの預かり資産で野村證券を抜くまでに成長させた。
また、全くの独立証券でありながら、証券会社リーグテーブルで堂々の第12位(2003年度)につけ、2006年3月に株式公開を果たした。2007年4月よりファーストヴィレッジで代表取締役社長として、M&Aを中心とした経営コンサルを行なっている。
blog: ブログ「いっちゃんのひとり言」
執筆の動機
頑張っている全ての人たちへのエール
自分の経験を通じ、社会に出る前の学生から営業や経営者にいたるまで、頑張っている全ての人たちに元気になってもらいたいとのエールとして出版した。 就職氷河期といわれて久しく、さらに悪化している今日の状況に苦しんでいる学生や、3年以内に3割が辞めるといわれるほど新入社員の離職率が取り上げられ、仕事の醍醐味を知らないまま浮遊している若手社員、会社の第一線で駈けずり回る営業や、厳しい経済環境の中で歯を食いしばって生き抜いている経営者。 これらの人々に、とにかく本気で一生懸命夢中になって働けば、必ず成功できるということを伝えたい。 その中でも特に、営業は「業(なりわい)を営む」職種であること、会社の大黒柱であり最も重要な役割を担っていることを理解して欲しい。深堀りする営業の奥深さや面白さ、営業としての誇り・プライドを伝えたい。また、どんな職種であっても営業マインド、ビジネスセンスは必要であると思っている。 成功の先には幸せがあり、心の充実と家族や社会を含めて尊厳ある生活を実現することができることを知って欲しい。
大学時代に「1億円」ものお金を稼ぎ出し、野村證券では前人未到の営業成績を残した“伝説の人たらし社長”が実践する、ありえない成果を上げるための「働き方」と「考え方」をまとめた一冊。 名刺一枚の出会いを大事にし、心を尽くして相手の喜ぶことをしていくことで、出会った人がみんな自分の応援団になっていく。 一生懸命、モーレツに働き続ける著者の生き方には、仕事のやる気がアップするヒントや、人生を向上させる極意が満載。
生い立ち
「三丁目の夕日」時代の少年
昭和34年北海道で生まれ、生後6ヵ月後には転居し、その後は東京育ち。
当時の日本は、戦後14年を経て復興はしつつもまだまだ貧しい状況にあり、それでも「頑張れば、あしたはきっともっとよくなる」と未来に対する希望を糧に、庶民は強く明るく生きていた。そういう時代に、勤勉な両親の背中を見て育った。
小学校時代は身体が小さかったため、運動会などスポーツではスターにはなれなかったが、心の奥底にはいつも「いつかはやってやる!」との強い想いを秘めていた。
中学生になると、小学校とは学区の異なる中学へ入学したため、ゼロからの友達作りに苦労した。ある日、先生から「お前の唇は金管楽器向きだ」とスカウトされたことがきっかけで、吹奏楽部へ入部。吹奏楽の世界では名門の田柄中学で、練習に打ち込む毎日を送っていた。その御蔭か(?)学業成績はふるわず、クラスで隣の席だった薬屋の息子にまでテストの点数を馬鹿にされる始末。そこで、持ち前の負けん気で奮起して、中学2年からは部活もしっかりこなした上、帰宅後の毎日夜7時から12時までの5時間を復習と予習に励んだ。その結果、中間テストはいきなり学年でトップ10に、さらにその後はずっと学年トップをキープし続けた。
高校は超進学校の都立富士高校へ入学。今度は、音楽から一転、当時の高校では珍しかったアメフトに青春をかけた。
元祖学生起業家・1億円を稼ぐ
立教大学に進むと、英語のクラスで、たまたま出席簿順が早いためにバスツアーの幹事に指名された。普通の人なら嫌々引き受けるクラス旅行の幹事を「どうせやるならとことんやろう、みんなが楽しめる企画にしよう」という気持ちで取り組み、自らバス会社・宿泊施設などと積極的な交渉を行った。
その中で、最高の条件を提示してくる会社を探しているうちに、各社の価格設定のあまりに大きなバラつきを知り、旅行に付随する価格はあってなきに等しいことに気がついた。そこで、自分が中心になって安い旅行企画を立て、周囲の学生たちに販売すれば、みんなも喜び、自分も儲かると考えた。大企業の大人たちが考えつかないような自分らしい企画やマーケティングを実施し、ついに4年間で60億円を売り上げ、1億円を手にすることになった。
何事にも徹底的に取り組み、どうしたら人を楽しませることができるのかを考え抜く姿勢が、クラスの学生バスツアーを立派なビジネスにまで成長させ、またその後の人生にも大き影響を及ぼすことになった。
ビジネス美学
シティボーイが一転、日本で一番厳しい会社に挑戦
大学生時代はバスツアービジネスで1億円を手にし、趣味のサーフィンや海外旅行も満喫したシティボーイが「日本で一番厳しい会社に挑戦」するために野村證券の扉を叩く。既に採用時期は過ぎていたために、最初は全く人事にとりあってもらえなかった。そこで、大学生でありながら自ら参加した「管理者養成 地獄の特訓コース」覚えた“セールス鴉”という歌を人事課長と人事部長、人事部フロアで披露すると「面白いヤツだ」ということで内定を獲得。
その後も「スーツはビジネスマンの戦闘服だ」と、最初から20着300万円を新調して仙台支店の寮に送ったエピソードから始まり、新人時代からのモーレツな働きぶりと人との出会いを大事にする心は、まさに「昼メシは座って食べるな!」の真骨頂。
ビジネスポリシー・・・三方良し
「売り手良し、買い手良し、世間良し」
ビジネスにとって重要なのは、一時的に一方的に儲けることではなく「長続き」すること。
大学時代のバスツアービジネスでも、「市村良し、学生良し、旅行関係者良し」。
証券時代は“成長企業支援”として、「売り手の証券会社良し、買い手のお客様良し、支援される企業良し」。
長続きするためには、お客様の望みを叶え、自身も潤い、かつ世間に貢献することが重要という考えが揺るがぬポリシーである。
将来の夢
グローバルビジネスマッチング企業
やはり、民間の力で日本を元気にしていかなければならないと考えている。
現在、「ファーストヴィレッジ経営者倶楽部」を運営主催し、経営者と経営者が出会うことで新しいビジネス、新しい価値を生み出すための“場”の提供と触媒の役割を果たしている。
2019年までに全国制覇を果たし、グローバル-特に近くのアジアで中国・韓国など-企業が日本企業のパートナーを探すときには、まず「ファーストヴィレッジ経営者倶楽部」にコンタクトしてくるような組織を目指したい。
セルフマネジメント
生活のリズム
6時から12時までの朝の時間(前日の検証、復習仕事)、12時から18時までの昼の時間(次の一手や新規開拓)、18時から24時(会食などお客様とのコミュニケーション)と、三毛作の生活を30年続けている。
集中法
生活のリズムを変えないこと。 毎朝毎朝4時50分に起きて、半身浴をしながら心を静め、シャワーと歯磨きで全身を清潔にする。5時45分には車に乗り、6時には出社という生活をずっと続けている。
常にリズムを整えて身体をならしているからこそ、ここ一番の時集中することができる。にわか仕込みではない、骨太でビジネスのベースとなる集中法だ。
ゲン担ぎ
ラックマネジメント(詳細は書籍のP77~を参照)が大事。
自分ながらの統計によって、よく商談が纏まるお店とそうでもないお店を押さえている。
社員に何か不運があれば、神社に行ってお祈りをし、自分の心も落ち着けるようにしている。
■取材チームからの一言
生憎の雨模様の日、朝一番のインタビューだったが、終わってみると、何だか身体の奥から沸いてくるようなパワーと清々しさに包まれた。
とことんやり抜いた人間だけが到達できる境地と見えてくる風景は、純粋で本物だからこそ周囲の人間を幸せにする力を持っている。
1時間の短いインタビューでも、市村社長の「三方良し」の美学を実感する貴重な時間であった。
プロフィール詳細
プロフィール | 生年月日 | 1959年 |
---|---|---|
出身地 | 北海道生まれ東京育ち | |
血液型 | B型 | |
生活リズム | 平均起床時刻 | 4時50分 |
平均就寝時刻 | 0時30分 | |
平均睡眠時間 | 4時間半 | |
平均出社時刻 | 6時 | |
平均退社時刻 | 18時 | |
自己流 | リラックス法 | 好きな仲間とカラオケ、ゴルフ |
健康法 | 青汁一日3杯 ヨガ 歯のブラッシング |
|
休日の過ごし方 | 床屋 ジム通い、サウナ マッサージ |
|
好み | 趣味 | 仕事 |
好きなブランド | エルメス ダンヒル ゼニア |
|
好きな食べ物 | 鮨 野菜 ポテトサラダ |
|
好きなお酒 | ロイヤルハウスボールド 森伊蔵 |
|
好きなエリア | 新宿区荒木町 | |
好きな色 | 紺 ブルー オレンジ |
|
Voice | 秘書(社員)から一言 | 本当に尊敬します。一生ついていきます。 |
My Favorites
オススメの本
「人を動かす人」になれ!―すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
永守 重信 (著)
日本電産 永守社長の著書全般
経営の王道―リーダー、トップは「証券営業の神様」豊田善一に学べ!
「財界」編集部 (編集)
凋落 木村剛と大島健伸
高橋 篤史 (著)
お二人とは面識があるが、評価の褒貶ではなく事実関係を知るために冷静に読んで欲しい。
よく行くお店
心山
藤ずし
「棗」「おろく」「心山」「藤ずし」(いずれも荒木町)昭和の雰囲気を残した荒木町が好き