プレゼンの達人Case1
プレゼンやミーティングの場で
急に自己紹介をふられたとき

今日の発表者(主役)は自分ではなく、アシスタントや裏方としての同行・同席の予定のはずが、その場の雰囲気で、急に自己紹介をするようふられたことはありませんか。 自己紹介ですから、自分のことを説明するだけなのに、急な展開や相手の注目が集まってしまったことに、赤面して口ごもってしまった経験を持つ方も少なくないはずです。 予想外とはいえ、せっかく自分をアピールするチャンスですから、しっかり印象づけられる対応のヒントを伝授します。
事前に準備しておけること
急な展開でなくても、自己紹介は様々な場で求められるものです。そこで、日頃から自己紹介のネタを準備しておくことが大切です。自己紹介で、最低限相手の記憶に残してもらう必要があるのが、自分の名前です。まず、自分の名前を2段構えで印象づけます。
- 名前の“文字”を記憶してもらう
- 名前を“イメージ”で記憶してもらう

例えば、「出光」なら「皆様、ご存知、『金アポロの“出光”』でございます」など。
そうすれば、相手はそれから沿道でガソリンスタンドの看板を見るたびに自分を思い出してくれるかもしれません。
また、本番では急に自己紹介をふられたとしても、自分がその日に同行・同席する場の相手/聴衆のプロフィールや人数などは事前にわかっているはずです。
不特定多数の若い人たちなのか、またはクライアントの比較的年配者のマネジメントなのか、それによって自分の名前を印象づけるためのネタの紹介パターンもいくつか用意しておくといいでしょう。
例えば、
- 堅い場や相手に向けた、改まった/大人しめパターン
- 比較的カジュアルな場や相手に向けた、お笑いパターン
など。
基本の自己紹介パターンを用意しておけば、とっさの場合に、必要以上に慌てなくてすむものです。
その場でとっさに判断・対応するアドリブのコツ
実際は、準備してある基本の自己紹介パターンをその場の状況判断でアレンジしたり、相手の反応に合わせたりする必要があります。重要なのは、最初から“人間観察”をしっかりすることです。これは、今日の出会いに感謝して、相手に畏敬の念を持ちつつ、その人の背景や今日の様子をしっかり知ろうと心を寄せることです。一歩踏み込んで相手に心を向ければ、今日の相手の体調や、こちらの説明内容に対する興味度合いなどが感じられるはずです。そうすれば、相手の波長に合わせていくことがそれほど難しいことではないはずです。出会いに感謝し、その場を楽しもうと思うことは、相手の懐に入ってその場の状況に合わせて振舞えるための基本の心持ちです。
表情・ジェスチャーなど言葉以外でのコミュニケーション

相手に良い印象を持っていただくために、次のことに気をつけてみてください。
- 笑顔・・・基本中の基本です。
- お辞儀・・・頭だけをペコリと下げるのではなく、しっかり背中を倒しましょう。その際、身体の動きに合わせて伏し目にすることが大事です。身体と目の動きが合っていないと、三白眼を相手に見せてしまうことになりかねません。
- 姿勢のよさ・・・肩甲骨を寄せることをイメージして、胸を開きましょう。「達人シリーズ」の「姿勢の達人」も是非参考にしてください。
- 丹田に力・・・力強くはきはきした声が出るようになります。
- 語尾の発音・・・語尾までしっかり発音できていると、実際の内容以上に、相手にはしっかりとして聞こえます。
- 口を開ける・・・唇よりも“口の中”を開けることを意識すると、クリアな発音になります。
- 目と頬をしっかり動かす・・・適度に目を見開いて、頬の筋肉も動かして、明るく、躍動感のある表情を心がけます。目と頬を動かせば、筋肉で上に引き上げられて自然と口角が上がり、顔全体で表情が出てきます。
ワンポイントアドバイス・・・「自己紹介のチャンスにラッキー!と思う」
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自己紹介のストーリーは、次の3ステップで流れるようにまとめるとよいでしょう。
・自分の名前の紹介
・印象づけのための簡単なプロフィール/エピソード紹介
・この場に同席していることへの謝意
また、その場所(土地)への“ゆかり”エピソードや、その場所(土地)が初めてであっても、第一印象の感想などを一言付け加えると、相手に親近感を持って受け入れていただくことができ、すっと相手の心に寄り添うことができると思います。 -
普段から、自分に向き合いましょう。
自分に一番関心を持っているのは、自分です。
自分は一言で言えばどんな特徴を持った人間なのか、普段から自分を見つめておくことを心がけましょう。 -
自己紹介のチャンスにラッキー!と思うようにしましょう。
急に自己紹介をふられて「しまった!」「困った!」と思うのではなく、自分のことを覚えてもらう機会を与えてもらったと前向きに考えれば、素敵な笑顔も生まれます。
後で振り返れば、そのときから、新しいご縁がつながる大きなチャンスだったと思えるかもしれません。
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