プレゼンの達人Case4
立食形式のパーティーやセミナーでの
スマートな交流の広め方

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プレゼンの達人Case4
立食形式のパーティーやセミナーでの
スマートな交流の広め方

不特定多数の参加者が集うパーティーやセミナーに、一人で参加しなければならない気の重さを感じたことのある人は多いのではないでしょうか。
座席が指定されている着席スタイルの会合であれば、自分の居場所が確保できるので少しは気が楽ですが、会話する相手もなく一人で立食スタイルの会場にいるのは、落ち着ける場所を見つけるのも難しく、周りから哀れに思われているような気がしてきて、無駄に疎外感を覚えてしまったりします。

しかし、たとえ居心地が悪かったとしても、遊びに行っているわけではなく、ビジネス上の必要性で参加しているのであれば、早々に退散するというのも失礼ですし、せっかくなら自分自身もその場を楽しみ、かつ何か収穫を得て帰りたいものです。

ただ、あくまでもビジネス上の立場において人が集まっているので、相手がどのような人物なのかまったくわからない状況で不躾に話しかけたり、初めからカジュアル過ぎる対応で接することは控えなければなりません。

そこで、自分自身も貴重な場と時間を楽しみながら、なおかつ今後につながる交流をスマートに広げる秘訣を紹介します。

事前に準備しておけること

大勢の人が集まる会合というのは、とかく開始時刻が遅れがちなもの。一人での参加だと、ただでさえ所在ないうえに、会が始まる前の時間帯というのはたいてい照明も明るく、人の目線もわかりやすいため、余計に一人であることを思い知らされ、これからの数時間がますます憂鬱になっていったりもします。

そんなときは気を紛らわす意味も兼ねて、これから始まる会合を有意義なものにするための事前準備をしましょう。

  1. 前向きにマインドセットする
    大勢の人が集まる場ではみんなが気持ち良く時間を共有できるようにお互い配慮が必要です。故人のお別れの会などは別ですが、基本的にはお祝い事や交流の場であることが多いでしょうから、必然的に“笑顔のふれあい”が行われる空間となります。初対面同士ではあっても喜び・幸せを共有する縁のある人たちですから、たとえ一人での参加でもしかめ面などせずに、口角をあげ、その場を楽しみ、「元気な人たちから元気をもらう」つもりで前向きな心構えをもって臨みましょう。周りの人もそんなあなたには声をかけやすいはずです。しかも、ビジネス上の繋がりを辿っていけば、隣にいる人は意外と近いところで繋がっているのかもしれないと思えば、少しは肩の力も抜けるのではないでしょうか。
  2. 素直に「心細い」と伝えてみる
    受付の際や連絡担当者へのご挨拶の際などに、「今日は一人での参加だから心細いんですよ」と素直に伝えてみたら、「お知り合いの○○さんがいらしてますよ」なんていう情報を得られるかもしれません。そんな発言はビジネスマンとして格好悪い気がするかもしれませんが、その一言を正直に発することで、その後、数時間の居心地がまったく別のものになるのかもしれないのであれば、少しだけ勇気をもって伝えてみる価値はあるのではないでしょうか。
  3. 出過ぎず引き過ぎない場所を選び、名刺の準備を
    会場の中央は主賓の方々が集う場となることが多いので、そこからは少し引いて。しかし、物陰に隠れるかのように引き過ぎるのも、せっかくの交流の機会を逃してしまうことになりかねないので、適度に主要人物が集まりそうな2番目、3番目あたりのテーブルに場所を見つけるのが良いでしょう。そして、いざというときにすぐ名刺が出せるよう準備をして開会の時を待ちましょう。

その場でとっさに対応するコツ

ビジネスとカジュアルの要素が混在するようなシーンですので、まずは相手の様子を見つつ、しかし自分の心は開いておき、適度な間合い・スタンスは保つことが肝要です。また、ちょっとした配慮の言葉が会話を始めるきっかけになることもしばしばありますので、恥ずかしがらずに挨拶などは言葉として発するのが良いでしょう。

  1. 一方的な尋問にならないよう留意し、自己紹介も交えながら質問をしていく。だたし、個人情報に関わる質問はタブーなので、ビジネスの話題と絡めた質問を。
    「お一人でいらっしゃいますか?」「私も一人で心細いので、ご一緒させていただけるとうれしいのですがよろしいですか?」「どちらからいらしたんですか?」「どなたのご関係でいらしたんですか?」「この会社とのご関係は?」など。
  2. Welcomeドリンクや会場の様子など共感しやすい話題を取り上げ、素朴で素直な感想を述べて、同調を求めると小さな一体感が生まれて和みやすくなる。
  3. ちょっとした配慮の気持ちを言葉に表すと会話のきっかけになることも多い。
    たとえば、ビュッフェの場合などは、料理を取り終えたら「お先にすみません」と次の人に声をかける、同じ席の人にも料理を運び、「良ければどうぞ」と勧める、など。
  4. 会話が盛り上がれば名刺交換をするのも良い。同じような立場の人が招かれている場合が多いので、早めに名刺交換をして会話を始めるのも一つの方法。
  5. 会話が盛り上がらなかった場合には、携帯電話が鳴ったふり、もしくは誰かを見つけたふりなどをして、「ちょっと失礼します」と添えて、その場を離れることで問題ない。

表情など、言葉以外で気をつけること

お招きいただいた会合には、「喜度愛楽」の心をもって参加しましょう。なぜ自分が招待されたのかを考え、主催者・来場者とともに「喜」びを共有し、敬「愛」をもって参加し、その場を「楽」しむ。そして、ほんの少しの「度」胸をもって初対面の人にも声をかけてみる。そのためには、日頃より人に声をかける癖をつけておくことも大切です。

なお、最初から無理に相手の領域に踏み込まず、様子を見ることは大事ですが、だからといって、人を眺め回したり、どちらから声をかけるか睨み合うような態度はご法度です。

同様に、「この機会に営業したい!」と考え、誰彼かまわず声をかけるような行動も無粋です。「自分が招待された意味」を考えれば、ビジネスマンとしてこのような振る舞い・発想は生じ得ないでしょう。

そして、名刺交換をしていただいた方には事後にお手紙やメールをお送りすることを忘れなければ、ビジネス交流の輪も広がっていきます。

ワンポイントアドバイス

多数の人が集まるフォーマルな場に一人で参加すると、つい身構えてしまい、自分で壁を作ってしまうことも多いですが、リラックスして心に余裕を持ち、そして少しだけ勇気をもって人に接すれば、きっと楽しく、ビジネス上も意義深い時間を過ごせることと思います。

  1. 自分が招かれた意味を考え、それにふさわしい心持ちで参加する。
  2. 少々格好が悪くても、不安な気持ちを受付や担当者に素直に伝えてみる。
  3. ほんの少し「度胸」をもって、チャンスを作り、人に声をかけてみる。
  4. 気負いすぎず、リラックスして、自然でスマートな対応を心がける。間合いは見極めつつも、自分の心は開いた状態でスタンバイしておく。

アキポリ編集部より

ビジネスシーンにおいて、プレゼンテーション力が重要なテーマであることは、誰しも認識していることと思います。 過去を振り返ると、誰でも一度は、プレゼンで大失敗の経験や忘れたくなるほど嫌な思い出が残っているはずです。 一方で、事前準備不足や本番での極度の緊張など、失敗の理由はわかっていても、あまり思い出したくないのも事実です。 また、緊張や失敗の理由を、自分以外の外的要因-例えば、マイクやPCなどの機器の不具合、部屋や会場などの環境、お客様や聴衆のレベル-のせいなどにしたくなる心理もわからなくはありません。 そのために、自分にとってプレゼンテーション力は重要なテーマであるはずなのに、振り振り返りやレビューのしづらい心理的理由が大きく影響し、自己成長が難しいテーマになってしまっています。

もうひとつ、プレゼンテーションが難しい理由として、単に、“言葉”や“意味”伝えるということではなく、お客様や聴衆に対して、こちらの“想い”や相手にとっての“価値”を伝えることがプレゼンテーションの目的であることがあげられます。 会社や自分、あるいは商品やサービスについて説明することを、プレゼンテーションとは言いません。自分の会社や自分とお付き合いいただくと、あるいはこの商品やサービスを利用していただくと、相手にとってどのような価値があるのかをイメージできる=メッセージが伝わることが「プレゼンテーション」なのです。

一概に「プレゼンテーション」と言っても、大きなプレゼンから小さなプレゼン、重要なプレゼンプレゼンからそれほどでもないプレゼン、一発勝負のプレゼンからやり直しがきくプレゼンとシチュエーションによって様々です。 シチュエーションの要素を、右図の回数×質×量の3つでとらえると、究極のシチュエーションは、やり直しがきかない一発勝負(回数)×重要な人に向けて発表する(質)×聴衆が多い(量)場合と言えます。

アキポリ編集部では、究極のプレゼンの達人といえば、本番一回のみとったシビアな状況で、重要な人も含めて、多くの聴衆・視聴者にメッセージを伝えることが求められるアナウンサーやキャスターではないかと考えました。 テレビなどの華やかな場は、通常多くのビジネスとは対極にあるように思われがちです。しかし、むしろ、生本番のみ、数字(視聴率)による評価、不特定も含めた多くの人へのメッセージ伝達、生業ゆえに厳しい自己レビューの繰り返しといった環境において、プロフェッショナルとして生き抜いてきた人に、ビジネスの場でも活用できる極意が隠されているのではないかと考えています。

また、プレゼンテーションでは、自己演出も重要です。自己演出とは、相手にメッセージを伝えるために必要な要素-言葉以外に立ち居振る舞い、表情、仕草など-をその場に合わせていかに効果的に自分を演出できるかということです。アドリブもその一つといってもいいかもしれません。 自己演出やアドリブといえば、やはりアナウンサーやキャスターの方にとって、多くの経験の中によって磨き抜かれた技を持っている得意分野と言えるでしょう。

そこで、今回は、女性スポーツキャスターの第一人者である出光ケイさんにご登場いただき、フォーマルな場に限らず、ビジネスにおける様々なシーンでのプレゼン・自己演出の極意やヒントをご紹介いただきます。

アキポリ推薦 プレゼンの達人 出光ケイ氏

出光ケイ氏

TBSテレビに日本初の女性スポーツキャスターとして起用、その後もスポーツジャーナリスト、テレビリポーターとして多方面で活躍。

主なレギュラー番組実績
■TV 「JNNスポーツチャンネル」「ビッグモーニング」(TBS系) 「ルックルックこんにちは」「ザ・ワイド」(NNN系)「あなたの知らない日本」(ANB系)、「オープニングベル」(TX系)、 「サンデー11しが」(びわこ放送)、「ナイト・イン・ナイト」(ABC)「桂三枝のスポーツマガジン」(MBS)
■ラジオ 「我が人生に乾杯」(NHK第一)、「サタデー・グリニッシュエアー」(T-FM)、「ジョイフルモーニング」(ニッポン放送)、 「ラジオ面白夕刊」(ラジオ日本)

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