プレゼンの達人Case5
お客様からの信頼度が
ワンランクアップする乾杯の挨拶

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プレゼンの達人Case5
お客様からの信頼度が
ワンランクアップする乾杯の挨拶

祝賀会などお客様のお祝い事のパーティーで、ほとんど馴染みのない不特定多数の人を前に挨拶をするのは、緊張もすれば、気も遣うので、楽なことではありません。

しかし、挨拶を依頼されるということは、主催者であるお客様からのラブコールと同意です。

数十名~数百名の招待客のなかで、数名~多くても10名前後分のポジションしかない挨拶、しかも「乾杯」というセレモニーの依頼なのですから、お客様が自分との関係を大事に考えてくれている何よりの証拠ではないでしょうか。

「乾杯の挨拶」は、大抵はそれまでの堅い挨拶が終わった後です。自然に和んでくれているその雰囲気に、そのまま便乗すれば良いのです。

といっても、笑いの場ではなく、あくまでもビジネスの場なので、無理にウケを狙って、自らの品格を落とす必要はありません。そもそも会場の雰囲気が和んでいるのですから、ほんの少しやわらかい話しをすれば、十分にその場を和ませる良い挨拶になるのです。

気の利いた乾杯の挨拶ができれば、主催者であるお客様の顔も立てることができ、ビジネスマンとしてのあなたの信頼度はワンランクアップします。

さらに、それを話題として初対面の人もあなたに話しかけやすくなり、人脈が広がる絶好のチャンスとなるのです。

まさに、「乾杯の挨拶」はラッキー・チャンス。依頼があった際には、ほんの少し勇気を出して、喜んでお受けしましょう。

挨拶自体は、基本に忠実に、オーソドックスなポイントさえおさえれば十分なので、是非マスターしてそのチャンスを存分に活かしてください。

事前に準備しておけること

「一分スピーチ」を用意することをお薦めします。

食事開始前ということもあり長い挨拶は遠慮して、かと言って、お祝いの気持ちはおろそかにならないように、きちんと要点をまとめておきましょう。

以下の項目を網羅すれば、必要十分のスマートな品の良い挨拶になるので、予め大筋を考えて会場に向かいましょう。

  1. 会社名、氏名を名乗る。
  2. お祝いの言葉を述べる。
  3. 主催者との縁やエピソードを簡潔に述べる。
  4. 会場の雰囲気、感想など、来場者全員に共通の話題を織り込む。
  5. 心を込めて乾杯の趣旨を述べ、乾杯の発声。

5.の「乾杯の趣旨」は様々な決まり文句がありますが、文語体ではなく、「皆様の益々の幸せと健康を願って」など口語体でわかりやすい表現のほうが良いでしょう。

お客様からの信頼度がワンランクアップする乾杯の挨拶

また、余裕があれば、明るいホットニュースを絡めて、比喩表現などを入れると雰囲気もやわらかくなります。

しかし、芸能界ネタは少々話しが軽い印象になりすぎますし、政治や宗教の話題はタブーです。

スポーツの話題なら、さわやかで、情熱的で前向きな印象を持つ人が多いのではないかと思います。最近のトピックで言えば、「なでしこジャパンのようにチームワークの良い様子が良く伝わってくる社風」や「テニスの錦織選手のように日本史上初のタイトルを目指して」などといった具合でしょうか。

プロ野球の具体的チーム名など、好みが強く影響するものは避けたほうが無難です。

「滑る」、「落ちる」といった言葉は避けたほうが良いですが、その他、タブーとなる言葉はそれほどありません。

くだけ過ぎた表現を使い、失礼とならないよう自分を律する意味で、正しく美しい日本語を使うことを心がけてください。

その場でとっさに対応するコツ

奇をてらって、ウケ狙いのアドリブを効かせた挨拶は不要です。

冒頭にも述べたとおり、無理に会場を沸かせようとするスピーチは、むしろパーティーの品格すら落としかねないので禁物と心得るべきです。

とっさに乾杯の挨拶を依頼された場合は、落ち着いて、前段の5項目をベースにシンプルにスピーチを組み立てましょう。

乾杯の挨拶は、インフォーマルな会合等で急に依頼されることもあると思うので、普段から自分のパターンをいくつか用意しておくと、いざという時に慌てなくて済みます。

表情など、言葉以外で気をつけること

お客様からの信頼度がワンランクアップする乾杯の挨拶

大勢の人の前に立つので身だしなみに留意し、笑顔で話しをすることは当然ですが、その他、乾杯の挨拶特有の留意点がいくつかあります。

慣れないと意外と様になりにくいのが乾杯のしぐさ。

グラスを掲げる際は、目の前に突き出すのではなく、斜め45度くらいを目安に掲げ、手を伸ばし過ぎないほうがスマートに見えます。

また、夏場などはエチケットとして、脇の汗染みなどに対策を施しましょう。

乾杯の発声の後は、来場者がグラスを置いて拍手をするケースが多いと思います。

その流れの中、どのようにステージを去ればよいのか戸惑うこともありますが、「ありがとうございました」と一礼をしてステージを降りると、次の段取りに進むことができます。

ワンポイントアドバイス

乾杯の発声は、パーティーの趣旨によって、「カンペイ」(中国語)、「チアーズ」(英語)など日本語以外の言語を使用することでセンスが光ります。

中締めなど他の挨拶を頼まれた場合でも、乾杯の挨拶の心構えをしておくと安心です。

万一、乾杯の挨拶を依頼された人が急遽欠席や遅刻で不在だった場合には、代打を頼まれる可能性もあります。

ちょっとしたテクニックと事前の準備・心がけがあれば、きっとお客様に喜ばれる乾杯の挨拶を行うことができ、あなたへの信頼度がアップすることでしょう。


アキポリ編集部より

ビジネスシーンにおいて、プレゼンテーション力が重要なテーマであることは、誰しも認識していることと思います。 過去を振り返ると、誰でも一度は、プレゼンで大失敗の経験や忘れたくなるほど嫌な思い出が残っているはずです。 一方で、事前準備不足や本番での極度の緊張など、失敗の理由はわかっていても、あまり思い出したくないのも事実です。 また、緊張や失敗の理由を、自分以外の外的要因-例えば、マイクやPCなどの機器の不具合、部屋や会場などの環境、お客様や聴衆のレベル-のせいなどにしたくなる心理もわからなくはありません。 そのために、自分にとってプレゼンテーション力は重要なテーマであるはずなのに、振り振り返りやレビューのしづらい心理的理由が大きく影響し、自己成長が難しいテーマになってしまっています。

もうひとつ、プレゼンテーションが難しい理由として、単に、“言葉”や“意味”伝えるということではなく、お客様や聴衆に対して、こちらの“想い”や相手にとっての“価値”を伝えることがプレゼンテーションの目的であることがあげられます。 会社や自分、あるいは商品やサービスについて説明することを、プレゼンテーションとは言いません。自分の会社や自分とお付き合いいただくと、あるいはこの商品やサービスを利用していただくと、相手にとってどのような価値があるのかをイメージできる=メッセージが伝わることが「プレゼンテーション」なのです。

一概に「プレゼンテーション」と言っても、大きなプレゼンから小さなプレゼン、重要なプレゼンプレゼンからそれほどでもないプレゼン、一発勝負のプレゼンからやり直しがきくプレゼンとシチュエーションによって様々です。 シチュエーションの要素を、右図の回数×質×量の3つでとらえると、究極のシチュエーションは、やり直しがきかない一発勝負(回数)×重要な人に向けて発表する(質)×聴衆が多い(量)場合と言えます。

アキポリ編集部では、究極のプレゼンの達人といえば、本番一回のみとったシビアな状況で、重要な人も含めて、多くの聴衆・視聴者にメッセージを伝えることが求められるアナウンサーやキャスターではないかと考えました。 テレビなどの華やかな場は、通常多くのビジネスとは対極にあるように思われがちです。しかし、むしろ、生本番のみ、数字(視聴率)による評価、不特定も含めた多くの人へのメッセージ伝達、生業ゆえに厳しい自己レビューの繰り返しといった環境において、プロフェッショナルとして生き抜いてきた人に、ビジネスの場でも活用できる極意が隠されているのではないかと考えています。

また、プレゼンテーションでは、自己演出も重要です。自己演出とは、相手にメッセージを伝えるために必要な要素-言葉以外に立ち居振る舞い、表情、仕草など-をその場に合わせていかに効果的に自分を演出できるかということです。アドリブもその一つといってもいいかもしれません。 自己演出やアドリブといえば、やはりアナウンサーやキャスターの方にとって、多くの経験の中によって磨き抜かれた技を持っている得意分野と言えるでしょう。

そこで、今回は、女性スポーツキャスターの第一人者である出光ケイさんにご登場いただき、フォーマルな場に限らず、ビジネスにおける様々なシーンでのプレゼン・自己演出の極意やヒントをご紹介いただきます。

アキポリ推薦 プレゼンの達人 出光ケイ氏

出光ケイ氏

TBSテレビに日本初の女性スポーツキャスターとして起用、その後もスポーツジャーナリスト、テレビリポーターとして多方面で活躍。

主なレギュラー番組実績
■TV 「JNNスポーツチャンネル」「ビッグモーニング」(TBS系) 「ルックルックこんにちは」「ザ・ワイド」(NNN系)「あなたの知らない日本」(ANB系)、「オープニングベル」(TX系)、 「サンデー11しが」(びわこ放送)、「ナイト・イン・ナイト」(ABC)「桂三枝のスポーツマガジン」(MBS)
■ラジオ 「我が人生に乾杯」(NHK第一)、「サタデー・グリニッシュエアー」(T-FM)、「ジョイフルモーニング」(ニッポン放送)、 「ラジオ面白夕刊」(ラジオ日本)

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